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不可視の断絶
2002年02月05日(火)
この間読んだ「夏のレプリカ」に、萌絵と友だちの杜萌は、数字の憶え方が違うって描写が出てきた。萌絵は数字を映像で憶える、杜萌は音で憶えるって。

私はどうかなあって、いろいろ考えてみた。
読書する時に、(心の中で)音読しながら読むと、時間がかかるんだそうだ。読書し慣れてる人は、文字を音として読んでいないから早いんだって。
私は、小説を読んでいても人の名前を音として読まないので、なんて呼ぶのかちゃんとわからないままに読んでたりすることがある。あと、名前がカタカナだと、頭文字とかで憶えてたりするので、アルスリーアだのアルザールだの、同じ文字ばかり頭につけられると憶えにくい(笑) だからかな、漢字の名前が好きなの。
でも、電話番号とかを憶えるときは音。…あんまり憶えるの得意じゃないんだけど…。人の誕生日は、数字に対するイメージで憶えてる。…あんまり憶えてないんだけど(笑)

ライブに行って私はいつもレポを書くんだけど、ライブって、聴覚と視覚と…あと何かな、気分?(笑) …なんだよね。
ライブ見ながら、けっこう文章を頭で考えてたりする。文章を思考する時には、映像ではできないね。やっぱり音でだね。
…その状況を文字に変換するって、どういう行為なんだろうなあって思う。
文字って文章って、すごい共同幻想だ。アナログとデジタルほどの次元の違いじゃない。もっともっとひどい。すべての事象と文章の間には、途轍もなく広い河が流れてる。
なのに、同じ言葉を使って、同じものを見ている気になって、その断絶になんの気も留めないんだ。私の頭の中と、実際の事象と、私の文章の間には、そしてこれを書く私と、これを読むあなたの間にも、眼にすることすらかなわない闇が広がっているんだね。


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