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暗いところで待ち合わせ/乙一(幻冬舎文庫)
2002年04月20日(土)
「警察に追われている男が目の見えない女性の家にだまって勝手に隠れ潜んでしまう」という話です。
おもしろかったです。ラストの盛り上がりには多少欠けますが、暖かいものが残る。
特に、第二章の終わりのところが、よかった、ほろりとさせられました。「大変だ、それに返事をしなくてはならない」というところが好きです。言葉を交わさずに、互いの存在を認め合うところが…。シチューの温かさが私にも伝わってくる。
異常なシチュエーションで、ごく当たり前の状況が、暖かくて泣かせられるという描き方がうまいです。

「必要だったのは、自分の存在を許す人間」。それを最後に言葉で説明してしまってるところはまだ拙いですが、ちゃんと物語の過程でそれを感じさせてくれてるから、私は彼の作品が好きです。
うーん、早くまた次作が読みたいなあ。


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