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「アヒルと鴨のコインロッカー」「チルドレン」伊坂幸太郎 2003年11月29日(土) 「アヒルと鴨のコインロッカー」伊坂幸太郎とっても楽しみにしていた新刊、図書館で早速見つけてしまいました。 今回の話は、大学進学で引っ越してきたアパートの隣人から、本屋を襲って「広辞苑」を盗む手伝いを持ちかけられる…というところから始まります。それに2年前の物語として、女性と、恋人のブータン人の青年、彼女の元恋人の3人の様子が同時進行で語られます。こちらは多発するペット殺しの話が絡んできます。 おもしろかったです。この人の文章好きだなあと思います。粋で、気障で、芝居がかってるところが好きです。ほら、私ヴォーカリストもそういう人が好きだし(笑) 話としてもね、どの話もこの人らしいなあと思うエッセンスが入ってるんですね。シチュエーションとか似通ってるところが多いし。動物好きの登場人物が多いとか、独特の正義感(?)があるとか…。そこらへんも、好きですね。これは、好き嫌いが分かれると思うけど。 展開としては、ふたつの物語がだんだんつながってきて、途中で驚かされて、泣かされて……ラストはハッピーエンドであると思いたいですね…。 最後まで読み終えた後、もう一度最初からぱらぱらと読み直してしまいました。セリフやエピソードが後になって生きてくるので、もう一度それを味わいながら読みたかったのです。じんわりと、「彼の成し遂げたこと」を思い返してみたりして…。 「重力ピエロ」もこの「アヒルと鴨のコインロッカー」も、変わったタイトルですよね。でも、ちゃんと作中でその意味が明かされているので、読み終わった後にタイトルも味わい深くなってます。 ★★★★☆ (5にしようか迷ったけど…4.5で) 「チルドレン」伊坂幸太郎(『ザ・ベストミステリーズ2003』収録) 『ザ・ベストミステリーズ2003』に短編が収録されてたので、そちらも借りてきてみました。 家裁の調査官と少年の話です。これまた、一度読んだ後、最初から読み直してしまいました。飄々とした雰囲気で、にやりとさせられます。どの人もいいキャラですよね。殴っちゃうシーンが笑ってしまう。 長編しか読んだことなかったですが、短編もおもしろかったです。 紹介に読後感がいい作家だと書かれてますが、読んでいる時も、終わるのがもったいなく感じるくらいに、とても楽しめる作家です。 この人の話は、素直に騙されて読んで欲しいです。 ★★★★ |