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「アカペラ」山本文緒 2010年04月09日(金) 中編3本を収録。「アカペラ」 パパは単身赴任中。ママは家出。祖父は認知症の症状が出始めている。しかし、たまこは大好きな祖父と一緒に過ごす生活が大切だった。中三のたまこは、就職の希望を出すが、担任が慌てて家にやってきた…。 意外な展開だった。個人的には気持ち悪いけど、物語としてはおもしろいんだよなあ…。 若い子視点で書かれているのに、文体が痛く感じないのは、この作者の力量なのでしょうね。(痛い人を見ているので、そこらへん気になります) 「ソリチュード」 春一は二十年ぶりに実家に帰ってきた。父親の死をきっかけに。しかしもう葬式は終わっている。ぼんやりと過ごす毎日。いとこで恋人だった美緒には、小6の娘がいた。 なんてことないような、でもこんなことはないだろうな、というような、物語。カタルシスはない、けど物語としてありなんだよなあ。なんなんでしょう、この説得力は。 「ネロリ」 志保子は、もう50間近。独身だが、身体が弱く就職したことのない弟と二人暮らしをしている。 これも、どこかにありそうでなさそうな、そんな物語。終盤の展開は、そういう読み方をしていなかったのでちょっとびっくりしました。 割り切れなさも感じつつ、後味は悪くない。 あ、3作とも、割り切れなさも感じつつ、後味が悪くない。人生ってそういうもんかもね、と、読み終えてほっとためいきをつくような一冊。 謎があるとか、手に汗握るような展開というわけではないのに、読むのがやめられなくなります。 おもしろかった。 ★★★★ |