.....PAPER MOON |
.....HOME .....MAIL .....OLD .....INDEX .....NEW |
『完全なる首長竜の日』乾緑郎 2011年05月15日(日) 少女漫画家の淳美は、自殺未遂を起こして意識不明に陥っている弟の浩市と、「SCインターフェース」によって対話を続けていた。植物状態になった患者の夢の中に入り込むことができるのだ。夢の中でも自殺未遂を繰り返す浩市。淳美は幼い日の島でのできごとや祖父とのことを思い出す……。 ----------------------------- これは、タイトルがいいなと思いますね。『バナナフィッシュ』(サリンジャーの方。読んだことないけど)から来ているんですね。作品のテーマも。 こういう、夢か現実か境目がわからなくなるタイプの話は、ラストももやもやして終わることが多い気がしますが、この作品は納得のいくラストになってました。なるほど、うまくできてるもんだなと。 文章がちょっと物足りないかなと思ったら、このミス大賞受賞作(つまり新人)なのですね。劇作家でもあるということなので、文章の簡素さに納得しました。 ということで、読書の醍醐味!とまではいきませんが、おもしろく読みました。 ★★★ |
![]() |