2001年11月11日(日)


時計の針が日付変更を告げた頃
携帯が鳴った。
弟からの着信だ。
一緒に住んでいる弟から電話が来るとは珍しい。
おもむろに通話ボタンを押す。

俺>「もしもし。」

弟>「あ。兄ちゃん?おれ今、焼き肉食ってるさ!

俺>「・・・・・・用がないなら切るぞ。」

弟>「あ。待って。切らないで!」

俺>「焼き肉食ってるのを自慢するために電話したのかこら。つーかどこにいるんだ?」

弟>「あ。今、実家にいるよ。じゃ母さんに代わるね。」

俺>「え?実家に?いつ帰ったの?ちょ、待てこら。」

母>「あ。もしもし?元気かい?」

俺>「あ、あぁ母さん。元気だよ。なんで弟そっちにいるの?」

母>「ところでマフラー編んだんだけどいる?」

俺>「いや、俺の話聞いてますか。

母>「今年は長いマフラーが流行りなんだってさ。欲しい?」

俺>「いや。あんまり・・・・。」

母>「母さんの愛を織り込んでおいたから!暖かいよ!」

俺>「ちょ、母さん。僕の話を聞いてますか。

母>「じゃ、弟に持たせるから!」

俺>「だから一体なんの電話なのこれ!」



そんな会話を10分ほど。
電話を切った後、おもむろに目を閉じ
母から贈られるマフラーとやらに
ハートマークだの名前だのが入ってないように
軽く祈っておく。


電話を切ると
そこにはなにもなかった。
あの声の向こうでしていた
懐かしい、そして暖かい空気は
ここには少しもなかった。
家の中は恐ろしく寒々している。
誰かの温もりも
気配すらない。



僕は一人。
真っ暗の部屋でテレビを見ながら
毛布にくるまっていた。
寒さと、寒さ以外のものに震えるように
毛布にしがみついていた。

心の底から
誰か側にいて欲しい。と願う。
ただ、いてくれるだけでいいのにと
強く
願っていた。



そんな風の穏やかな晩秋の夜。
北海道在住ステキ学生riku。男。独身。
今日で25歳。

































誕生日だっていうのに。誕生日だっていうのに。誕生日だっていうのに。誕生日だっていうのに。誕生日だっていうのに。誕生日だっていうのに。誕生日だっていうのに。誕生日だっていうのに。誕生日だっていうのに。誕生日だっていうのに。誕生日だっていうのに。誕生日だっていうのに。誕生日だっていうのに。誕生日だっていうのに。誕生日だっていうのに。誕生日だっていうのに。誕生日だっていうのに。
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日記才人