2003年02月01日(土)



金曜日はちょっとした研修があって
同期の一部である数十名が
半年振りに揃ったわけであるが
もちろん研修などとは名ばかりで
適当に聞き流し
東北出向を皆から同情されながら(半笑いだったけど)
メインである定時後の飲み会に望んだわけだ。

半年も経つと
やはり皆成長するのだな。
アホな会話に紛れて
時折仕事の話や
専門的な知識の情報交換が
聞こえてくる。

入社したての
あの学生となんら変わらない
頭の悪そうな顔と違い
いっぱしの社会人として
まぁわずかながらも
1年という時間を過ごしてきた人間の
自信と意思が
その顔からは感じられた。

僕も
自分では分からないけど
少しは成長したのかな。




同期K>「うぅーし。一次会終了。次行こう!」

俺>「いいね。どこいく?」

同期K>「温泉いきたくね?」

俺>「この時間から温泉?(時刻23:00)
オマエ・・・・・・なんていいこと思いつくんだ。

同期K>「決まりだ!温泉だ!温泉といえば草津だ!

俺>「草津て!いくらなんでもオマエ・・・冴え過ぎ。よし行こう!」




全然成長してないことが判明。




俺>「NとAも誘おうか。」

K>「しかしヤツラは冷静だからな。付いてくるかな?」

俺>「大丈夫だ。俺が説得する。」

K>「おお。頼もしいな。まかせたぞ」





俺>「よう!二人とも。明日は予定ないんだろ?温泉行こうぜ!」

A>「これから?この時間で温泉開いてるのか?」

俺>「平気。ここは東京だぞ。眠らない街だ。」

N>「近場?」

俺>「ああ。・・・うん。まぁ近いといえば近い。

N>「え?どこ?」

俺>「まぁ、いいじゃないか!久しぶりに会ったんだから!付き合うだろ?な?」

A>「まぁいいけどよー。」

俺>「ようし!そいじゃ行くぞー!」









K>「説得できたのか?」

俺>「バッチリだ。




という具合でもって寮を出発。
NとAの二人を適当に誤魔化し
まずはカーナビの行き先を草津に設定する。


ピッ。
ピッ。

カーナビ>-到着予定時刻は5時15分です-



N>「ちょっとまて。今、そのカーナビなんて言った?」

K>「は?なんのことだ?恥ずかしいからあんまりカーナビ見ないで。」

A>「恥ずかしいってなんだよ!見せろ!見せろって!」

K>「わわ。見たってなにも面白くないって!山ばっかりだから!

N>「山?今、山って言った?」

A>「コイツらなにか企んでるぞN!」

俺>「まぁ落ち着きたまえ。確かAは長野出身だったな?」

A>「ん?ああ、そうだけど?」

K>「だったら関東あたりは俺らより詳しいだろ?」

A>「まぁ、キミらよりは・・・。」

俺>「じゃぁこの辺りで箱根、伊豆に次ぐ有名な温泉と言えば?」

A>「くさt・・・・・・降りる!帰る!

俺>「K!逃がすな!ロックしろ!車出せ!」

N>「え?なに?くさってなに?どこ行くの?」

K>「出発ー。」


という具合でもって
可哀想なNとAは見事拉致された。
諦めたのか日ごろの疲れか
あっという間に後部座席で眠りにつくNとAの寝顔を
ニヤァと思い切り悪い顔で見ながら
到着したのは4時間後。
早朝の5時前。
群馬県六合村入山。焼尻温泉。



K>「よーし。到着だ。」

俺>「二人を起こすか。ってあれ?N起きてたの?」

N>「・・・・・ちょっと前からな。」

俺>「起きてたのになんで黙ってたの?」

N>「目が覚めたら一面雪景色なんだぞ。言葉が出ねぇよ!

K>「わははは!まぁまぁ。温泉着いたから!な?」

N>「まさかマジで草津来るとは。甘かった。」

A>「え?なにー?着いたのー?(目を擦りながら)」











A>「ゆ、雪っ!Σ( ̄◇ ̄||)」



あの顔。
ちょっとオモシロかった。


焼尻温泉というのは
コンビニの温泉雑誌で見つけた
唯一、24時間入れる温泉で
しかも無料ときた。
川底から温泉が沸々と湧き出るところらしく
川の中にザブンと入る粋な温泉。
Kと俺は実に楽しみにしていたのだが
着いて驚いたのは
なにもAとNだけではなく
明かり一つない山奥に
あれ?温泉って一体どこ?
状態でかなりビビった。
なんせ懐中電灯も持ってなかったので
俺の持つ携帯のスポットライトが大活躍。
そんな状況で
川の方へと雪をザクザク踏みしめながら
歩いてゆく。気温マイナス5度。


K>「あ、足跡あるからこっちじゃねぇ?」

俺>「そうか?よし分かった。道産子の俺にまかせろ。」

K「おお。頼もしいな!」


数分後。

俺>「オーイ!K!足跡がー!」

K>「どうした?」

俺>「途切れてる。

K>「まじで!川はあるのか?」

俺>「川はあるが・・・温泉が湧き出ているかどうかは分からん・・」

K>「・・・・入ってみる?」

俺>「アホか!もし普通の川だったら死ぬて!」

K>「うそーん!ここじゃねーのかよー!」

A>「長野に帰りたいなぁ・・・(逃避)」

K>「さ、寒い。死ぬ(大阪人)」





そんなことを繰り返しながら
ようやく看板を発見。
駐車場から数百メートルも離れたところに
川へと降りる階段を見つけた。


俺>「小屋がある!脱衣場じゃない?」

K>「おお!そうだ!やった!入れる!」

A>「ははは早く!入ろう!」

N>「そろそろ死ぬかもしれん(大阪人)」


気温マイナス5度。
明かりは携帯のみ。
外は雪。
足元も雪。

温泉が湧き出ているらしき川まで数十メートル。






全裸で走る男4人。





明るい昼間じゃなくてよかった。

俺>「おお!ほんとに川が温かい!」

K>「温泉?まじで?」

A>「うひー!あったけー!」

N>「ほんとに川だこれ!コケでぬるぬるする!」

俺>「あー。さいこーだー。」

K>「まったくだー。」

N>「きもちーなー。」

A>「極楽だねぇー」




もう。ほんと最高だった。
僅かな街頭の明かりの中
それでも透明と分かる川の中
温泉に浸かれるんだからもう。
気分は最高。
ところどころで川底から温泉が噴出してるから
ちょっと油断すると火傷するのが
たまにキズだ。
焼尻温泉って変わった名前だと思っていたが
おそらくこういう由来なのだろうな。



さんざん嫌がっていたNとAも
かなりいい気分になっていたので
この拉致温泉旅行は成功だったといえる
次回はぜひ昼間の天気の良い日に来よう。
という話をしながら4人で仲良く家路についた。










真冬の早朝5時とかではなく。
(俺もほんと寒かった。)


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日記才人