今日も1コマしかな〜い。 このまま行ったら、完全1コマになるかもしれないそうなのだが、 それならそうと早く言っていただきたいものである。 私だってバイトだけしてりゃいいって身分でもないのだから。
本日の講義: ・接続助詞/「る」「れ」の識別 ・『とはずがたり』の解説 ・『義経記』を少々
本日の1冊: 『兄帰る』(永井愛/而立書房)
前回の集中抗議で影響を受けて、ちょっとした戯曲ブーム。 その中でも教授がプッシュしていた永井愛女史の戯曲をピックアップする。 一見幸福そうに見える弟夫婦の家に、失踪していた兄・幸介が姿を現す。 博打で身を滅ぼした過去を持つ幸介を姉・百合子も弟・保も厄介がるが、 真面目に再就職をするという彼のためにコネを求めていつしか奮闘する。 この戯曲の面白い点は、 最初は控えめな幸介が徐々に存在感を増し、いつしか家庭の中心にいる点。 次に、姉弟の敵意が幸介だけでなく、弟の妻・真弓にも及んでいく点。 「鴛鴦夫婦」はどこへ行ったか、気が付けば保と真弓の距離はずっと遠い。 一方、真弓と幸介との距離が縮まり、2人は必然的に孤立していくのである。
しかし、そこで終わらないのが戯曲の戯曲たる所以。 戯曲とはそもそもは舞台の台本なのであるから、 小説のように読者の好き勝手に読み始めたり読み終えたりすることを想定しない。 幕が上がったら、その時間内は観客を夢中にさせることが要求されるものなのだ。 だから、短い中で話ががらりと変わる・・・飽きさせないためである。
それにしても、この戯曲のラストは圧巻である。 別に全く予想しなかった展開になるわけではないのであるが、 「えぇっ、そこまで言わせますかっ!?」という台詞が飛び出してくる。 面白い。
「嘘吐きがどれだけ努力してるか知ってるか?」――『兄帰る』より
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