| 2002年04月05日(金) |
弟帰省/『おめでとう』 |
昼間、修論の準備を進めていたら、先輩から電話がかかってきた。 高校の部活の先輩だった彼は、いつの間にか大宮から栃木に異動、 先月一緒に帰省していた彼女と別れ、合コンで知り合った女性を意識している。 そこで、「女心って難しいよな」ときたもんである。 なんて忙しい人なのだろうと感心するしかないではないか。
本日の一作: ・『おめでとう』(川上弘美/新潮社)
短篇集である。 とかく、大人の女性作家が描く恋愛に不倫が多いのは何故だろう? スタンダードな純愛などを書いても商品にならないからだろうか? 不倫しているからといって特にスッタモンダが起きるわけでもなく、 むしろ気持ちいいぐらいサバサバした2人だったとしても。 でも、今作にはすごく素敵なW不倫小説がある。 「冬一日」、いつも同じ場所、同じ時間にしか逢瀬を重ねない2人が、 たまたま男性の弟が留守にした部屋で、食事をする。 いつもと違う場所、違う時間、ただそれだけのことで、 ぐっと穏やかで切ない空気が濃密になるからすごい。
「あのさ、俺さ、百五十年生きることにした」突然トキタさんが言った。 「百五十年?」 「そのくらい生きていれば、あなたといつも一緒にいられる機会もくるだろうしさ」
理由はよく分からないのだが、とにかく気に入ったフレーズ。 本当は倫理に反しているのかもしれないけれど、 この2人の関係が本当に清く満ち足りたものなのだということが分かる。 それだけに、ずっと一緒にいられないことが切なくてたまらない。 他にも、「川」(コッチは純愛)などは胸に染みた。
弟が帰省。明日から当分こちらを拠点に就職活動らしい。 鬱陶しいなぁ(苦笑)
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