2005年11月04日(金):そして部屋はまた独りに |
彼は帰っていった。 見送る時、さみしさが止まらないコーヒーは、彼に訊いた。 さみしくないの? 彼はこう返した。 「なんで? また逢えるやん。 次に逢える日が楽しみやから、さみしくないよ」 彼は前向きだ。 こういうところは見習いたい。 「お前は悲観的過ぎるねん」 そして新幹線の発車時間が来た。 「次に逢う時まで、いい子にしてるねんで。 そんな泣きそうな顔せんと、な?」 彼の背中が見えなくなるまで、ずっと目で追った。 見えなくなったら、急に涙が出てきた。 ああ、前にもこんなことがあった。 煙草の背中が見えなくなるまで、ずっと見ていたあの日だ。 あの日も、視界から消えた瞬間に泣き出したっけ。 もう5年も前の話なのに、また同じことをしてる。 さみしがりはなかなか治らないな。 |
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