時計の短針が9時をさした。今頃、結果を見ている頃だ。そう思うと、何も手につかなかった。手をあわせて、祈った。今更だって思うけど帰ってくるまで、祈ってた。玄関の外に立つ姿を見つけた。なかなか、入ってこない……そんな気がした。どうだった?手をあわせたまま、思わず聞いた。受かった…やっと聞き取れるくらいの声が返ってきた。 (杏路)