本当にあった怖い話。 - 2004年11月22日(月) 日曜の夜。もうそろそろ床に就こうかと思ったくらいの時刻に、ついにと言うか、とうとうと言うか、恐るべき事態が起きてしまった。 そう。今の俺にとっては命取りともなりかねない心臓が止まりそうな出来事が。 アイツが家にやってきたのだ。 この世に生を受け、四半世紀と二年余り。初めて家の中にあの昆虫が出てしまったのだ。 昆虫と表現するには余りに可愛げのないその風貌。 まさに昆虫界の異端児。イニシャルGことゴキちゃんである。 過去に路地裏なんかで遠巻きに見たことはあっても、それが室内、ことさら自分の部屋の中となると、ちょっとしたパニックルームである。 体長は1�僂砲睨�たない大きさであったが、初めて間近で目の当たりにするその得体の知れないムシが与えるインパクトは俺をパニックに陥らせるには十分なものだった。そもそも虫全般が嫌いだし。 まだ成長過程なのか、その程度の大きさにしかならない種なのかは不明だが、うわさに聞いていたとおり、動きが速い。 しかも、発見した瞬間俺は蛇に睨まれたかえるの如く硬直しその場に立ち尽くしてしまったため、その姿を見失う。 「退治せねば」と思うもどこへ行ったかわからない。 こうなったら、おちおち腰も下ろせない。尻で潰してしまうのではないだろうか。歩いた拍子に踏み潰してしまうのではないだろうか? まぁ、よくよく考えてみると潰そうとしてもなかなか仕留められないヤツがそう簡単に人間の下敷きになるわけもないのだが、兎に角俺はパニック状態。 更にこちらは蝿タタキのようなウエポンは何一つない。 ほぼ丸腰。 それからどのくらいの時間がたったのだろう。 俺はまだその場にじっと立ち、息を殺していた。 だってこのままでは絶対に眠れないから… しかしやつの姿は確認できない。 手には掃除機を持っていた。 パンツとTシャツだけという姿のいい年の大人が何やってんだ。 滑稽な姿であることは間違いない。 いよいよ諦めてとりあえず布団に入ろうかと思ったそのときヤツ発見。 ヤツは俺が先日1万もの大枚を叩き、担いで持って帰ってきた座椅子の上を、ヒョコヒョコと歩いているではないか。 すぐさま掃除機のノズルを構える俺。 ヤツの動きが止まる瞬間を見計らい、スイッチオン。 ピンポイントで吸い込む。 大きさが大きさだっただけに、吸い込んだ感触はない。 「や、殺ったか?」(ガンダムじゃねーんだから) いや、お前はアホか?吸い込んだだけなんだから「殺って」はいないだろう。 あまり直視はしたくないが自分自身を安心させるため、スケルトンになっているスティック型サイクロン掃除機の集塵部を確認する。 そこにヤツはいた。もがくようにプラスティックの壁を登ろうとしている。 だがしかしつるつるのプラスティックを攀じ登ることは出来ない。 「勝った…」 安堵感が一気に襲い、その後は直ぐ寝た。 1匹見たら10倍はいるなどという話はきっとオカルトに違いない。 そう思いたい。いやそいうことにしておいてくれ。 そして二度と俺の目の前に現れないでくれ。 ...
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