Mother (介護日記)
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| 2003年03月26日(水) |
入院3日目 ( 叔母と義姉のお見舞い ) |
今日は叔母と義姉が母の様子を見に来てくれることになった。
母は私の来るのを待ちわびていて、 「あ〜アリュちゃん♪ 来た来た!」と喜んだまでは良かった。
「どこ行ってたの? 私がこんなになっちゃったから、もう嫌いになっちゃって、 どっかに行っちゃったかと思っちゃった。 海岸の方にいるか、どこにいるのかわからないから、 今、市の広報(広域放送)で呼び出してもらおうかと思ってたんだよ」
�堯福陰Α院臓�
広報?
あの、徘徊老人の捜索の、ですかい?
「ピンポンパンポ〜ン♪ ○○警察署より、尋ね人についてお知らせします。 ○○にお住まいのアリュールさん40歳が、○時に家を出たまま戻りません。 身長160cm、胸は小さいのに、お尻が大きく太ももが太い。 服装はグレーのツインニットに黒の長ズボンを履いています。 お心当たりの方は、○○警察署までご連絡ください。 ・・・繰り返します。」 ってか?
ヽ( ′ー`)ノ
それだけは勘弁しておくれ。
* * * * *
そんなやり取りを見て、はたまた痩せこけた母の変わり様を見て、 義姉は廊下に出て泣いていた。
母は来客がうれしくてハイテンションになった。 セキのし過ぎで、昨日から声が嗄れてしまっているが、大きな声で話しかけてくる。
見ると、母は入れ歯をしていなかった。 私が昨日ポリデントにつけた状態のまま、病室の隅に置いてあった。 ならば朝と昼のご飯は、どうやって食べたのだろう? 母の食事はなぜかおかゆだが、そのわりにはおかずは『刻み』にはなっていないので 歯がなければ食べられないはずだ。
昨日、あれほど頼んでおいたのに。
昨日は昨日で、ポリデントに浸した入れ歯をゆすがずにそのまま渡したらしかった。 誰がやったかはわからない。 しかし、ライフスコープ(心電図・心拍・血圧・酸素計)につながれた母は ベッドから動けないので、自分でやったとは思えない。 少量とは言え、薬液を飲むのは危険なので、看護婦に充分お願いしたし、 メモも付けてきたのだが。
そもそも、入院時の面接でお願いしておいたことではないか。 何度言えば、わかってもらえるのだ?
私は、初っ端の母の“広報発言”のショックも手伝って、一気にブチ切れてしまった。
私の、なかば独り言を聞きつけてか、隣のナースステーションから看護婦がやって来た。 私は面と向かって文句を言えない小心者であるが、今回は言わずにいられなかった。 私は自分に落ち度がない、と自信があったからだ。
「私は午前にいなかったので」などと言い訳をしたので、 「ちゃんと引継ぎをしてくれないと困ります!」と言った。
その後、その看護婦は他の看護婦と相談したらしく、 「今度からは、夕飯の後、食事係りがお箸と一緒に預かることにします」と報告に来た。
また、別の年配の看護婦と廊下ですれ違った時、 「何か失礼があったそうで、申し訳ありませんね」と言われた。 はぁ。苦情処理もこのように迅速に対処していただけるなら、と見直した。 (ただし、一部の看護婦だけね(笑) 顔や態度でわかるもん。)
「こちらも少し言い過ぎました。疲れているのでしょうか。お手数をお掛けします」と言った。
いろいろ考えた結果、 『夕食後ポリデントに浸けて、帰宅直前にすすぎ、水の入った容器ごと看護婦に預ける』ことになった。
* * * * *
「昨日夜中に不穏になって尿の管を自分で抜いてしまったので、今はおむつをしてあります。 夜間は私たちは2人なのですが、他の部屋の見回りをしている間にベッドを降りて、 いつの間にかエレベータの方まで歩いて行ってました。」
入院時に、 ケガ防止のため、痴呆患者の場合にはやむを得ず縛ることもあると言われている。 母も今後たびたび夜中に徘徊(本人はトイレに行くつもりだとしても)を繰り返すとなると、 夜間拘束されることも有り得るだろう。
治療のため数日間ベッドに寝たきりの生活をしていると、急激に筋肉が弱ってしまうのだが、 本人は今まで通りのつもりでいるので、ベッドから落ちるなどのケガが多いらしいのだ。 他にも、点滴の針を勝手に抜いてしまう人がいたりするらしく、 痴呆患者の看護はつくづく大変だと思う。
* * * * *
叔母と義姉に、それぞれ母とのツーショットを撮らせてもらって、 遅いお昼を食べにファミレスに行った。
そこで、不本意ではありながら万一の時のための話しをした。 葬式は自宅か斎場か、遠方の親戚の宿をどうするか、お金はいくらかかるか、 預金はいくらあるのか・・・
私は昨日、念のために不要になった口座の解約と定期の解約をしておいた。 本人が死亡すると、預金は相続手続きが終了するまで凍結されるため、 葬儀にかかる費用が出せなくなってしまうのだ。 ある程度の現金を、すぐに出せる状況にして置く必要がある。
一番のネックは、お経をあげてくれるお坊さんへ渡す金額だ。 これほど不透明で、大きなお金は他にないと思われる。
* * * * *
叔母と義姉を駅まで送ってから再び病院に戻ると、 母の様子を見に来たケアマネージャーと玄関ですれ違った。 ケアマネは、看護婦にも話しを聞いたようだった。
私は叔母と義姉の前で気を張っていたのが溶けて、ケアマネを見て涙目になり、 ロビーに座って少し話した。
私は今、非常に複雑な気持ちなのである。 自宅介護をしていると、病院や施設にいてくれた方が良いと思うこともあるのに、 母の発言がおかしかったことから、 長引く入院に因って痴呆が加速したらどうしよう、と不安になってしまった。
延命についての意志の確認をされたことで母の命があとどのくらい持つのかという不安と、 逆に、退院できた場合、痴呆が加速して自宅で徘徊などが始まったらどうしよう、という不安。
ところが、ケアマネはこう言った。
「今日のお母さんは、いつもと変わりありませんでしたよ。 その発言(広報)にしても、痴呆のレベルは今までと変わりませんよ。 お母さんの言ってることは、前からそんな感じでしたよ。 それに、今、退院後のことを考えてもしょうがないです。 あの状況で、2週間で退院できるとはとても思えませんから。 それよりもレンタルのベッドを一旦返却しないと、 入院中については介護保険でのレンタルができずに自費になってしまうので・・・」
なんだか、非常に不愉快になった。
ケアマネが、一体どのくらい母と会話をしていると言うのだ? (毎週4時間一緒に過ごしているヘルパーが言うなら納得できるが) 毎日母を見ている私が、今日はいつもと違う、って思ったんだよ。 死んで欲しくない = 今すぐ死ぬとは思えない 入院中に痴呆が進行してしまいそう = 先のことを心配せず、この機会にゆっくり休んで
そう言いたいらしいのだが、どうも毎度ながら言葉の使い方が下手な人だ。
* * * * *
母が、「虫がいる。私は虫が嫌いだから気になる。」と言い出した。
適当に聞き流していたのだが、 天井や窓の方を見ては、まるで飛んでいる虫を目で追うように真顔で言う。
「ほら、そこにも、あそこにも。見てごらん、あんなにたくさん。30匹〜40匹ぐらい。」
�堯福陰Α院臓法。魁ぃ苅杏い辰董Α�
どこに? いないって。 網戸してあるって。
「おまえ、目が悪いの? 見えないのか。 私は目がいいからね。 ほら、そこにも。」
ヽ( ′ー`)ノ
そこへ看護婦がやって来た。
A「虫がたくさんいるって言うんですけど」
M「いるよね? 虫。」
看「虫? いないよ。」
M「いるよ。 見えないの?」
看「いないよ。」
M「まぁいいや、それならいないってことにしておこう。」 って、おい。ヾ( ̄。 ̄;)
A「飛蚊症でしょうか?」
看「いや。飛蚊症と言うのは目の病気なんで。 この場合は幻覚でしょう。」
幻覚? (^_^;)
* * * * *
昨日は、同室の患者の掛けているタオルケットが、自分のものだと言って困らせた。
かつての被害妄想のように強気ではないが、自分のものを他の人に使われてしまったと訴える。
「私の持って来たピンクのタオルケットが、いつのまにかあっちに行っちゃって」
「あれはあの人のものなの。 おばあちゃんのはおうちにあるから。 ママ、タオルケットを持って来ていないから、寒かったら言ってね。」 そう言い聞かせてから、その患者の家族に平謝り。
「申し訳ありません、痴呆があるもので。 自分の持ち物と似ている柄だったものですから、勘違いをしているようなのです。」
はぁ、この先が思いやられる・・・
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