2005年06月13日(月) |
知って欲しいアレルギーのこと |
今、深夜番組で「化学物質過敏症」の人のドキュメンタリーやってるます。
「化学物質過敏症」てちょっと聞きなれない言葉かもしれませんが、「シックハウス症候群」なら聞き覚えのある方もいるのではないでしょうか。 家を建てる際に使われた接着剤や防虫剤などの化学物質に対するアレルギーで、喘息やアトピーなどを引き起こす事があるアレです。
私も長いことアトピーを患ってきましたし、また、身近にまさにその「化学物質過敏症」の友人がいた事もあり他人事とは思えませんので一筆したためる次第であります。
まあ、すごく大雑把に言えば「アレルギー」なんですけど。 アレルギーにもいろいろありまして。 アレルギーで現在、一番一般的認識度が高いのが「花粉症」ですな。 が、これだって10数年程前にようやく認知され始める以前はほんの一部の人の特殊な症状だったわけで。 それが今や10人に1人とか、5人に1人とか、そんな増えっぷり。
他にアレルギーと言えば、例えば動物アレルギーであるとか、食物アレルギーであるとかで、これは原因が特定されている事もあって世間の理解度も比較的高いし分りやすいですよね。
でも、その位はいわばアレルギー界の氷山の一角。 アレルギーの本当の奥深さ、厄介さ、謎、辛さって言うのは多分それを体験した人でないとわからないと思います。 だって、お医者でもよくわかってないんですから。 極端な例で言うと、「薬のアレルギーで病院に行ったら薬を処方された」 なんて、もう泣き笑うしかないみたいな体験も。
もっとわかりやすいのはいろいろなアレルギーの原因になっていると言われるダニ。 確かに「ダニアレルギー」(特定の物質=ダニに過敏に反応してしまう)の場合ならそれを徹底的に駆除すれば良いのでしょうが、大抵の場合「ダニ」は多くの要因の内のひとつに過ぎず、アレルギー症状というのは様々な要因が複雑に絡み合って発症する場合が少なくありません。むしろその場合のほうが多いと言っても過言ではなく。
だから、ダニ駆除だけのために家中に殺虫剤を撒く、なんて言うのは私から言わせれば本末転倒な感じ。ダニより殺虫剤の方が体に悪いよ! 殺虫剤などは撒いてしまえば目に見えないところがこわい。 目に見えないけど存在してるわけで、それを日々吸い込んでいるわけで。 私は液体蚊取りとかもちょっとこわくて使えません。
余談ですが、最近の害虫はどんどん殺虫剤に対する耐性が出来てきて、既存の殺虫剤では死なない害虫が増えているらしいです。 となるとそれに合わせ、殺虫剤の成分はどんどん強力になってゆき、 が、それを間接的に吸い込む人間の体はというと…
と、近年これだけ様々なアレルギー疾患が増えているにもかかわらず一般的な認識って言うのは哀しくなるくらいまだまだなのだなあ、と思うのです。
前出のテレビ番組では、病気が酷くてついに山の中で暮らすしかなくなってしまった夫婦のドキュメンタリーでした。 この人達が、どんな「化学物質」に反応してしまうのかと言うと、シロアリ駆除の薬剤から始まって部屋の壁紙、畳の防虫剤、トイレの芳香剤、電化製品から出る電磁波、タンスの木材に使われている接着剤やニスなどの諸々、洗剤(化学合成でないものでもダメみたいです)… 部屋は壁をアルミの板で覆い、布団や洗濯物は山の川の水で洗い(洗剤を使えないのはもちろん、水道水にもいろいろ入っているから)、畳に布団を直接敷けない、洗った洗濯物もタンスにしまえない、電磁波を発している電化製品の側に居れない、外を歩いていても公衆トイレから流れてくる芳香剤に反応していまい具合が悪くなる…
この夫婦の奥さんが取材に応じている様は、少々ヒステリックさも感じました。 知らない人が見たら、もしかしたらただの神経質なおばさんに見えるかもしれません。 でも、私はわかる!すごいわかる! まったくアトピー時代の私を見るようですた。死んだほうがましとすら思ったし、誰も私の気持なんてわかるわけないと思ってた。 それが、この人に至っては自分の周りのほとんどのものが自分を苦しめる原因なんですよ。 そんな生活、想像しただけで気が狂う。そらヒステリックにもなるわ。 しかも見た目は健康体で、包帯してるわけでも入院してるわけでもない。 もちろんどこか手術すれば治るものでもない。 だから、他人には自分の苦しみをなかなか理解してもらえないという二重の苦しみ。 それが一番辛い。 どんなに苦しくても、心無い人には「気にしすぎ」「神経質」と思われ、果ては「仮病」「怠け者」とまで言われてしまう悲しさ悔しさ理不尽さ。 本当に辛いのに、好きでこんな病気になったわけじゃないのに。
と、長々と判り難い文章を書き連ねて結局何が言いたいのかというと、 世の中には、想像も及ばないアレルギーに苦しむ人がたくさんいるのです。 何でそんなものに?そんなことで?と感じる事もあるかもしれません。 だけど、そういう人もいるのです。ほんとに辛いのです。
てことを少しだけでも心の片隅に覚えておいてもらえたら。と思う次第でありました。
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