真黒なヤギ 灼熱の険しい地を 真黒なヤギは独り目を回しながら 途方にくれ歩く 造られた道より 自然のままの大地を好み キズつきながら大切な何かを探している 敵など何処にもいないと信じ 無防備で・・・ やがて真黒なヤギは 自分の探している大切な何かを見つけるが それを手に入れることが出来ないと知る 真黒なヤギは造られた道を歩き もうキズつくことも独り目を回すこともないだろう 真黒なヤギは孤独の世界に浸り 大切な何かの存在を忘れようとする 真黒なヤギはその瞬間 逃避の象徴となる