階段を降りる。茶の間が見える。お父さんがソファに横になりながらテレビを見ている。台所ではお母さんが何かをしている。一瞬、階段を降りる足が止まった。空気も止まった。いつか消えるんだ。いつか、もう会えなくなる時がくるんだ。当たり前が当たり前じゃ無くなる時がくるんだ。そう思ったら今が愛しくなった。おかーさーん?また時が動き出した。