帰りにマキちゃんの家に寄ってくことになった。 とりあえずビールを買って、さえ母に電話をした。
さえ母:お父さんから電話が来てね? 出張先でケガをしたんだって。 さえ:え?
さえ母:病院に連れてって欲しいから、帰って来て欲しいなぁ。
少しドキドキした。 随分ヒドイ怪我であれば、きっとその場で病院へ行く筈だと思いながらも、お父さんの顔が血だらけになってる姿を想像してドキドキした。
マキちゃんに事情を話し、家に帰った。
さえ:ただいまー さえ父:おう(後姿のまま
さえ:お父さん? 大丈夫?
振向いたさえ父の唇と唇の上が赤く腫れていた。 眼のすぐ横には不器用にバンソーコーが貼ってある。
ホテルの前が暗くて、路肩につまづいて転んだとのこと。
二人で病院へ向かう。 救急用の受付で座って順番を待っていた。
小さな子供がタオルにくるまれてお母さんと来たり、カップルの女性が身体を苦痛で丸め、それを彼がさすっていたり。
そんな時、今から救急車が来ることになったようで看護婦さんがバタバタ走り始めた。 救急車が到着し、私は少しドキドキした。
救急隊員の人がドアを開け...
開け....
開け...?
アライ君じゃん(爆
アライ君は、毎年一緒にキャンプに行っている悪友の一人。 彼は消防隊員で、親の影響もあるけれどバックドラフトの影響を強く受け消防隊員になったと言っても過言では無い正義感旺盛の男の子だ。
お医者さんと状況説明で話をしている悪友。 凄いなぁって思った。
そのうち、私の前を通り過ぎた。
さえ:アライ君!(小さい声で アライ君:おー。何やってんのよ?
さえ:お父さんがちょっとケガして アライ君:そうかぁ。
さえ:頑張ってね。 アライ君:おう(頷
おとーさん曰く「きっとこれは縫うぞ。」 お医者さん曰く「軟膏を出しておきます」
急に元気になったさえ父は「せっかく隠してたヘソクリが治療代になった」等と言っている。
980円の治療代。
病院を出て歩きながら、さえ父と話をしていた。
さえ父:お父さんな? 暗くて見えなくて転んだんだ。 さえ:気をつけないとダメだよー?
さえ父:あ!! さえ:?
見れば、大きな水溜りの水にはまってました。
さえ父:靴に水がはいった(涙
・・・・・・。
なんて面白い人なんだろうか。
さえ母もホッとしたようで、一言。 「お父さんって、ほんと面白いね。一人でにぎやかにして。」
マキちゃんからメールが来た。
マキ「お父さんの具合はどうですか?」 さえ「暗くて転んだんだって! ケガは軟膏程度で済みました。 でも、その後すぐに水溜りにはまってた。」
マキ「お父さんに暗闇では懐中電灯を持って歩くように言ってください」
お父さんのケガ、大事に到らなくてホント良かったと思ってます
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