メロディの無い詩集 by MeLONSWiNG
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生まれて初めて見る 白いきれいな貝殻 少女はひざをかかえ いつまでも少年の話をきいていた
瞳閉じて魚と泳ぎ おとぎの国を歩いた 許されるならこのままずっと 一緒にいたかった
入り江の夕暮れ 明日の約束 少年は1人いつまでも 貝殻を集めてた
えらいお医者さまのところへ 入院が決まってた 少女は大切な宝物 少年に手渡した
今まで見た中で一番 きれいな宝物見つめながら 少年はさよなら言えずに ずっとこらえてた
病気が治ったら必ず 会いにくるから そしたら たくさんたくさんお話ししよう ふたりは指切りをした
約束をいつまでも守り 少年は海を見てた 季節がうつりかわっても きれいな石をさがしてた
見知らぬ女の人が何か 言いたげに見ていても 少年は気付くことなく いつまでも待っていた
入り江の夕凪 くちずさむ少年のそばで よりそうように止まった風が やさしい歌をきいている よりそうように止まった風が やさしい歌をきいている
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