メロディの無い詩集 by MeLONSWiNG
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ボクの消えた日の夜から 彼女はピアノの上で眠るようになったと 写真を添えた手紙が 遠くから届いた
片目の黒猫 不思議な女の子 死の淵から逃れてボクの腕の中で 息を吹き返した
ピアノの音に ピアノの音に 耳を傾け ボクの隣で いつも眠ってた
家中を探して ボクを求めて 探し回って 鳴きやまなかったと
ボクの部屋の真ん中で 鳴きつづけていたと 泣きつづけていたと
手紙の文字に 猫の視線が描かれて にゃお にゃーおと
耳元に響いた気がした
探し疲れて 探し疲れて 泣き疲れて 見つけた方法は
ピアノの上で待つこと ピアノの上で ボクを思い出しながら 眠ること
その頃ボクは 東京という 新しい街で 君のことなど いつしか忘れていた
ゴメンね ゴメンね 本当にゴメンね
ゴメンね ゴメンね ゴメンね 本当に 本当にゴメンね
君の大好きな フライドチキン 食べながら
いやあな話をききながら
あの日の君みたいに 月を見上げながら ボクも 君を想って 鳴いているよ 鳴いているよ 泣いているよ
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