メロディの無い詩集 by MeLONSWiNG
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僕らは遠くに手をのばして 雲を掴もうと瞳こらして 迷路の中に紛れ込んだ そんなこともわからずにいた
誰より優しい心はきっと 誰より明るい笑顔はきっと 誰より儚く脆いままで 傷つき消えてしまうんだ
どうして哀しみに 気付いてあげられなかったのだろう どうして突然の空は こんなに意地悪に蒼いのだろう
取り繕わず追いかけて きみをつかまえに行こう 風が君を連れ去るその前に 誰かがきみを忘れるその前に
教会で眠ったきみの元へ 灰色の猫は帰ってくる 側にいたかった それだけは その仔でさえ解るのに
悔やんでる人々に告げたのは 愛せない日々の爪痕 誰にも解らない もう 今は 夏の陽炎が揺れてこの街は黙る
どうして哀しみを 翼に託したのだろう どうして突然の闇は 流れるように通り過ぎるのだろう
あの日の約束を追いかけて きみをつかまえに行こう 風がきみを連れ去るその前に 僕のこころが涙を止めないうちに
忘れない たとえこの空が 変わりはてた街を紅く染めても 時がきみを連れ去ったとしても 僕はここできみをずっと見ている
僕はここできみをずっと見ている
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