右腕のブレス
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まだ,この前会ったときのことを更新してませんでした。
2週連続会うなんて,まず有り得ないことだったけれど, 僕が出張でグミの町へ行った。 仕事1日,有給1日休み2日。 合計4日は居た。 けど,実際に会っていたのは半分以下。 そして,そのまた半分は僕が風邪でダウンしていた。 本当ごめん。
色々な疲れから一瞬開放されたら,安心して熱が出た。 吐きそうなくらい胃が痛くてどうにもならなかったけど, グミと会って熱出して寝込んでやっと休暇らしい休暇を取れた。 仕事のことはほとんど考えなかった。
そんなわけで,ゆっくりはあってないけれど, 久しぶりにあまり外に出ず一人でゆっくりしたと思う。 (グミの家だけどね・・・)
グミの勤務は不規則だからあまり一緒にいられないのは仕方がない。
ずっと前から分かっていること。 それなのに,一緒にいられる時間は風邪を引いていた。 だから,最後の日。日曜日はわがままを聞くことにした。 ずっと前から見たいと言っていたオペラ座の怪人を見に行って, そのあとは部屋でゆっくりと話をしながらくつろいだ。
「離れる前の生活に似ているね」
そういえば,僕がまだそこにいた頃は当たり前の生活だったんだ。 そんなことも,離れた直後は寂しいとしか思えなかったのに, 今は懐かしいとしか思えない。
もう2度と訪れない生活がそこにはあって。 この生活もいつかそう思う日が来るのだと思った。
あの頃想っていたのはグミのことだけじゃなかったな。 今想っているのはグミのこと。 これから先もグミのことであればいいと思う。
夕方になって外も暗くなってきていつもならバイバイの時間。 寄り添っているグミを抱きしめて, 「襲っていい?」と笑っていった。
今日の主導権はずっとグミ。 だけど,本当はずっと僕がもっている。 グミが今までで一番いい日になるようにがんばる。 それは僕が今までで一番いい日になること。
グミは微笑んでいた。 抱きしめてキスをして顔を離すとグミは泣いていた。
僕が見てきたグミの中で一番泣いていた。 離れていくときよりも。
落ち着くまで腕枕をして頭を撫でた。 「こんなに幸せを感じたことがないよ。 大事にされてるんだって…本当に幸せだよ」 僕はいつものように大きく笑った。 「そういってもらえることが俺の幸せだよ」 「何でそんなに笑うのよ!!」 「いつもの俺のほうが俺が楽だから」 「なんなのそれ!!」 「グミが落ち着くまでずっと待ってたんだ,それぐらいいいだろ」 「うん。好きなだけ泣けたし,今日は許してあげる」
少ししょっぱいように感じるキスをして, 「襲う気分じゃなくなったな」 「襲いたい気分になっちゃった」
そのあと,僕は高速を飛ばして日付が変わるころ家に着いた。 それにしても,エロをしたあとの長距離運転は疲れる。 毎回1度はヒヤリとする。
お互いが消せない過去を持っている。 お互いに一緒になる前から話を知っている。 心のどこかでそれを引きずっているんじゃないかって 不安になっていた。
どうにもならない過去を消すことは出来ない。 だけど,思い出さなくなればいい。 ずっと,引きずっていたのは僕で, そんな僕のことでも信じてくれていたのはグミ。 引きずりながらグミのこともどこかで信じてなかったのは僕。
あまりにもわがままだけど, やっと,信じられるようになった。 少しずつ思い出しても苦しくなくなってきた過去。
素直にグミのことだけを想えるようになった。 それがグミに少しでも伝わったのだと思う。
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