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■ 風の声を聴く・・・
風の声が聞こえる。
僕の行く方向を教えてくれる、 道端でうずくまってる僕の手を取りながら。 声にならないあの声が、 僕の心には強く響いてくる。 聞こえないはずのその声が、 他の何よりも大きくて。
風の声が聞こえる。
声にならない声を発し。 とても困ってる風なその風に。 僕は近づき聞いてみる。 「どうしたのですか?」 風は答えない。 思いつく言葉を、 その拙い言葉を、 風に投げかける。 投げかけたら・・・ 風は何処かに行ってしまった。
風の声が聞こえない。
声が聞こえなくなり。 僕は風の声が聴きたくなり。 でも、風はなく、声はなく。 新たな何かに風を重ねても。 風は風。 あの時の風ではなく。 あの場所にいた風ではなく。 風を求めて風を待つ。 同じ風など吹くはずも無いのに。
風の声が聞こえない。
あれからどれだけ経っただろう。 風の声が聴けなくなってから。 僕は、今、新しい風を追うこともせず、 昔の風を探すのでもなく。 ただただ、僕に笑いかける風を待っている。 今は、それしかできないんだ。
あとどれくらい、こうしてたらいいのだろう。 あとどれくらい、こうしたいのだろう。
風の声、聴きたい。
2001年10月17日(水)
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