手帳[Note]

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離散家族 2003年01月02日(木)

妻は病院
娘は実家
私はひとり自宅

ときどき父子家庭

妻の妊娠を確認しに病院に行ったのが、去年の28日
しかし、子宮内に見えない
尿検査では妊娠しているくらいのホルモン値がでている

おかしい

「子宮外妊娠の可能性がある。午後すぐに緊急手術をしなければならない。ほっておくと母胎にも危険がある。」

突然の出来事だった。私はやけに眠くて居眠りしながら待っていたが突然看護婦さんに呼ばれて先生の所に行ったときには妻は泣いていた。

「よろしいですね」

「はい」

平気だ、大丈夫だと思ってはいてもだんだん目の前が暗くなった。
頭から血が引いて倒れそうになった
あぶら汗もでていた

全身から力が抜けてしまった
午後2時から4時まで手術だった
その間、両親には連絡するのがやっとだった

妻の姉も子宮外妊娠で手術したことがある
なんなんだろう
卵巣がひとつ無くなるのか

待つ時間がとても長く感じられた
一日が終わるくらいと思っていた

午後4時がすぎ
手術室に来るように言われた

担当医から結果を聞かされた
「子宮内に妊娠している場合、赤ちゃんのベットのような○○(名前は忘れた)ができているのでまずそれを調べました」
「それはできていましたから子宮内に赤ちゃんの部屋があるべきですが、それがなかったということは染色体異常などによる自然流産だった可能性が高いですね」

そうか、妊娠はしてたんだ

「これは7回から10回に1回はあるもので、防ぎようのないものです。今妊娠していれば6週目ですが、たぶん4〜5週目で自然に流産したのでしょう。出血がない場合もありますから気が付かなかったのでしょう」

染色体異常などで自然に流産するものなんだな

「しかし、それにしては尿検査でふつう妊娠している場合ホルモン値が1000を超えているのですが、奥様の場合は3000〜6000まであるので妊娠しているはずで子宮内に見えなかったので卵管に受精卵があるかもしれないので、手術したわけです。」

「結果として両方の卵管を調べましたが、ありませんでした。また、子宮や内側の壁に腸などが癒着していたのできれいにはがしておきました。前になにか大きな手術をしましたか?」

腹膜炎破裂で中学生の頃手術したのと、帝王切開です

「それらが原因で子宮が自由に動けなくて、調べるのに時間がかかりました。今はきれいになったので、子宮も自由に動き、腸の癒着が腰痛の原因になるんですけれど、ありました?」

ええ、腰痛はありました

「それらも改善されるのではないかと思います。前よりは妊娠しやすい体質になりました。妊娠しづらい人は今回のような腸の癒着をはがす手術をしなければならない場合もあるんですよ」

そうか、子供を授かるためにはしなければならなかった手術なのかもしれない。
流産はしたけれど、不幸中の幸いだった

一時は神は見捨てたのかと思ったが、そうではなくこれは神のおおきな計らいだったのかもしれないと思えてきた。

担当医の話を聞いて、やっと力が戻ってきていそいで病室の妻の元に行った。
妻はあいかわらず泣いていたが、聞いた話を聞いて落ち着いていった。

ただ、ホルモン値が下がらないともう一度切って調べなければならないということも聞いていたので完全に安心できなかった。

しかし、それも3日後くらいの尿検査で下がっていたので「もう手術の必要はない」ということで、やっと妻も安心した。

自然流産といっても子供を一人産んだのと同じだから産後の養生をよくしなければならない。主夫業が当分続くのかな。

今までの妻への苦労を返す機会なのかもしれないな。

娘も小さな体で一生懸命がんばっているのがよくわかる。
まだ5歳なのに、泣かないように親を励まそうとしてるんだよな。
でも、ちょっとしたことでやっぱり泣いちゃうんだよな。
そういうときはしっかり抱きしめて泣かせてやらないとね。
まだまだ親の愛をたくさん受けたいんだから。
寂しい思いをさせないようにしっかり受け止めてあげられるようにしよう。

大丈夫、もうすこしの辛抱だから。

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