私という人間
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2003年10月27日(月) おもいで

とても昔だった気がする
大好きだった とても大切だった何かを
掛け替えの無い何かを 失った

それは自意識の伴わない 小さな生き物にとって
不思議な出来事であって 何か解らずに
ただ たくさんの人と久しぶりに合う親類
そして 真っ白な顔と赤い唇 そして真っ白な布を纏った何かが
箱の中に横たわり動かない ただそれだけの出来事であった

燃え盛る炎の中 それは沢山の花が入った箱と一緒に
なぜ そんな所でそんな姿に 理解できずに恐怖心を持った
真っ白な骨 鼻をつく臭い 涙する家族 親類

理解出来ない出来事が目まぐるしく起こり
そして 何事も無かったかのように終わりを告げた

お酒を飲んで 笑いながら話す親類
ただ いつも隣に居た 何かが無かった
一つだけ足りない そんな気持ちだった

そこに 在るべき何かが足りない
全てだった温もりが その日から消えた
寂しさをぬぐいきれず ただどこかへ消えた

どこへ行ったのか解らないまま
ただ時は流れる いつ帰って来るのかは知らない
ただ足りない ただ空しい 
ただ一つ失っただけなのに 全て変わって
そして私は足りないまま 大人になった

今でも足りない何か ここには無い
ただ待ち続ける ただ あの温もりを感じたい



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