ウォ・アイ・ニィ〜異国ロマンス第三幕〜 - 2002年01月27日(日) 02:00。 ※初めましての方へ※ 当サイトの日記コーナーは、管理人の個人的なシュミに基づく妄想の掃き溜めとなることが多いです。 突如予告無く己の妄想をぶちまけることがあります。 しかも、何故か連載してしまうことが… という訳で、以下は日本支配下の満州を舞台にした弥犬による大河ロマン(笑)『ウォ・アイ・ニィ』(っていうタイトルにしたらしい・仮)の第三幕です。 第一幕は1月23日、第二幕は1月24日にあります。 小説みたいなものではありますが、基本的に小説の書き方ではないです。 長編向けの物語の「設定」と「粗筋」を羅列したような感じの駄文です。 それでも宜しければお読み下さいませ。 ---------------------------------------------------------------------- 弥勒が屋敷を後にしたのは、東の空に輝く明けの明星が朝日にまだ消えぬ頃だった。 別れ際に唇を重ねると、夜中あれだけ肌を合わせていたのにまだ満ち足りなくて離れられなくなりそうだった。 弥勒はもうすぐ好きなだけ抱き合えるのだと自分の胸に言い聞かせ、こみ上げる気持ちをぐっと押さえつけると、そっと唇を離した。 そして、自分を見上げる犬夜叉が小さく頷くと無言で踵を返し、まだ暗く底冷えのする小路に消えた。 犬夜叉は弥勒の忍び姿が見えなくなると、いつもと変わらぬ、しかし祖国で過ごす最後になるであろう一日を迎えるために屋敷の裏口をくぐった。 翌日、早朝。 大きな汽船が泊まっている港には濃い霧が立ち込めていた。 弥勒は早すぎてまだ人気の無いその岸壁に立ち、犬夜叉を待っている。 懐から時計を取り出して時刻を確認すると、約束の時間はとうに過ぎている… 眉を寄せてどうしたものかと思案していると、霧の向こうから人影が近づいてきた。 犬夜叉だ。 弥勒はその姿を認めると胸をほっと撫で下ろし、懐中時計をしまう。 犬夜叉はいつもの着古した中国服を着て、胸に小さな袋をひとつ抱え、小走りでやって来た。 弥勒の目の前までやって来ると、白い息をはあはあ吐きながら言う。 「他の使用人たちに気づかれそうになっちゃって―――」 「言い訳は後だ」 弥勒はそう一言言うと、軍用の長い外套を脱ぎ、寒そうに震える犬夜叉の肩にすっぽりと掛けた。 そして、頬を染める犬夜叉の肩に手を回して船へと急ぐ。 カツンカツンと弥勒の靴がタラップを上る音が響く。 今まで見たことも無いくらいの大きな船を目の前に足が竦みがちの犬夜叉を、弥勒はしっかりと抱きながら歩く。 タラップを上りきると、弥勒が買収しておいた乗組員が出迎え無言で頷いた。 ずらりと並ぶ部屋の前を通り過ぎ、二人は一番奥の部屋の前まで来た。 弥勒は予め受け取っていた鍵をポケットから取り出し、ドアを開け、犬夜叉を中に入れる。 部屋の中は既にスチームが効いていて暖かい。 狭くてベッドもひとつしかない一人部屋だったけれども、小奇麗で過ごしやすそうだった。 弥勒の荷物は既に運び込まれ、整理されている。 弥勒が内側から部屋の鍵を掛けると、二人はどちらからともなく抱き合った。 これからはずっと一緒に居られるのだと… 犬夜叉は誰に何を強いられることも無く、自由の身になって弥勒に愛されるのだと… 弥勒はもう犬夜叉に辛い思いをさせることなく、その愛しい笑顔をいつも傍で見ていられるのだと… 抱き合いながら二人は互いの存在が何ものにも代え難いことを確かめ合った。 それから、弥勒はふと思い出したように犬夜叉の体を離すと、ベッドの上に置かれていた衣服を手にした。 「これを着るんだ」 自分が?と意外そうに眉を寄せて聞く犬夜叉だったが、有無を言わさぬ弥勒の口調に仕方なく着替え始めた。 一昨日の晩はあれだけ激しく抱き合ったのに今更「見ないでくれ」などと言われ、弥勒は苦笑しながらも服を脱ぐ犬夜叉に背を向けた… 再び振り向いた時…まるで別人のように変身した犬夜叉がいた。 英国仕立ての白いシャツにベロア地の黒いリボン。 細くすっきりしたラインのパンツにピカピカの革靴。 今の今まで屋敷の下男として働いていただなんて、誰に言っても信じないだろう。 「まるで貴族の子息だな…」 目を細めてそう言いながら、弥勒は犬夜叉をベッドに座らせ、自分もその隣に腰掛けた。 そして、後ろで編み込まれた犬夜叉の長い髪を解き、指の間に通すように梳くと、柔らかい銀の髪がゆるりと波打って肩に垂れた。 「いいか?犬夜叉。お前は俺の知人の息子だ。日本に留学しに行くことになっている。解かったな?」 犬夜叉は弥勒の目を真剣に見つめ返しながら、ゆっくり、自分に確認させるように深く頷いた。 そんな犬夜叉に優しく微笑むと、弥勒は言葉を続けた。 「お前には本当に学校に行かせてやる…」 犬夜叉が目を見開き、瞳を輝かせた。 「そう、それで良いんだ。お前は、もっと…輝くべきなんだ…」 今度は少しの誇りを含んだ瞳で、犬夜叉は頷いた。 「全部俺が面倒見てやる。日本語も教えてやる。今日から早速練習だ」 犬夜叉はまだ少年らしい好奇心を含んだ笑みを浮かべる。 そして… 「アイシテル?」 不意に犬夜叉の口を突いて出た日本語に、弥勒は困ったような顔をして笑った。 あの夜、自分が何度もそう囁いたのを覚えてしまったのだろう。 頬を心もち紅くしながら自分を見上げる犬夜叉を包むように、愛しむように見つめ、弥勒はその腰に手を回した。 「その意味も、たっぷり教えてやるさ…」 犬夜叉がはにかむように微笑むと、弥勒は顔を傾け、小さな唇に自分の唇を寄せていく… もう少しで触れ合うかという時―――― トントントン… とドアを叩く音がした。 ---------------------------------------------------------------------- すみません。 続いてしまいます。申し訳ないです。 いい加減終わらせろよ、自分(笑)。 でもね、私の頭の中では今、この5年後くらいのストーリーが渦巻いているんですよね…どうしましょ。 いつか小説にしてみたいです。 せめて、前回のエッチシーンだけでも…(笑)。 ...
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