生首をもらった。
もちろん本物ではない。 美容師さんの練習用のものだ。 「納涼・肝だめし」に何度か出演している生首さん・・ナマちゃんは、顔面を混色の灰色マーブル模様にされている。 髪は所々が緑色。しかも襟足は刈上げ風。
職場の人にもらったので、さっそくハルミを呼んでナマちゃんを「こっ!(ほら、みてよ!の意味)」と見せたところ
「ぅわあっ!!ばかあ〜〜〜!!!!」 と、十センチぐらい飛び上がって走って逃げた。
そうかそうか。そんなに喜んでくれるとは、見せたかいがあったってもんだ。
自宅の自室でナマちゃんをマジマジとみていると、何かもうひと工夫欲しいと感じた。
「目」だ。
のっぺりとペンキを塗られているので、目がよくわからないのである。
そばに転がっていた「夜光絵の具ペン」で目を塗り、光に当ててから部屋を暗くしてみた。
無気味に青光る、ナマちゃんの目。
明るいところでも不気味さがまして、ナマちゃん、水を得た魚のようである。
さて、梱包して送ろうとすると、絵の具が乾いてないことに気づいた。 一時間ほどで乾くというので、ナマちゃんを床に置いて、他の事をはじめた。
一分経過
二分経過
視線を感じて、ナマちゃんを後ろ向きに置きなおす。
五分経過。
存在感のあまりのでかさに、いたたまれなくなり、部屋を出た私。
自分は本物を付けてるのに、なんでこんなに怖いんだろう!!
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