こ こ ろ も ち 。

2003年11月25日(火) 雨の音と胎内音

雨の音で目覚めた日が、あった。

妊娠中。

その音を認識した瞬間、

「あ 器械 付けたまま寝ちゃったんだ」

と、思った。そして
器械がお腹に付いていないと気付き、苦笑した。

器械 とは、ドップラーの事。
胎児の心音を確認するための物で、
お腹の張りが認められると それが規則的な張り=「陣痛」かどうか
確かめる為に、あるいは胎児の様子を知る為に 
お腹にくっつける器械なんである。
心音の「トットットッ」という音に混じって

サーサーサーサーサーサー・・・・・


と、血流の音も聞こえたりする。

これが本当に、雨音に そっくり。
私は妊娠初期から陣痛(分娩)状態が続いていたので
いつもいつも、監視装置(ホントにこう呼ぶ) を付けていた。

胎児の心音を聞きたくて、
器械のボリュームを上げてもらったりしていた。
自分の血流の音も、聞き慣れると良いモンである。
この音がしているうちは、子なすは生きている・・・
と、思ったりした。

自分が生きていさえれいば、子供も生きるのだと
妙な確信をしていたんだった。
だから 口を開いてもお腹が痛く、先生の問いかけにも瞬きでしか
応えられないような時も「生きなきゃ」と思った。
そんな日々だったから 本当の陣痛は「屁」だった。

果たして子なすは、
周りの予想をはるかに上回る週数まで私にくっついており、
正常分娩でやってきた。
「イタイ」と言っているうちは、まだまだ、って思うようになっていた。
そう、思っていうちに するりっと生まれた。





雨音は 生を確信する音。








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なす子

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