2004年04月06日(火) |
きっと ずっと わからない |
ベビーベアの顔や頭の形の注文を
何度も何度も変更するヒトがいた
頭が付いてゆけなくなった。
誠意を持って お返事しなくては。
丁寧に 応えなくては。
それがワタシだけにできる仕事なのだ。
と思っていた
全て 終わった今、思う
ムダだった
彼女は
ちょいと思いつくままに
問いかけてくるだけだった
時間をかけて書いた返事に反応するでもなく
また 思いついて聞いてくる
疲れた
去年からずっと。
変更なんて 受けなきゃいいじゃないか 大変なのに
と周りに忠告されても
「それが出来るのが個人製作一点物の良い所 お客さんはそれだからこそワタシに注文をくれるのだ」
と 信じていた
デザインの段階だから まだ何とか頭も付いてゆけた
テディベアとなった作品を 壊すのは辛い、辛すぎる
それでも尚
「要望にできる限り応えたい」
という一心であった。
その都度 気持ちを持ち上げるのは
思ったより大変だった
しかしそれでも 何度も
気持ちを新たにという言葉を
実行するというのは
自分を消し殺す事かもしれない
職人、堕ちたりだな
と思った
「そろそろできるんですね。でもどんな顔を注文したか 忘れちゃいました、けど楽しみー」
と言う彼女
出来上りのお知らせをした
返事は こうだった
「やっぱ、こーんな顔に変えてもらえません? ムッとします? いくらかかります? でも2体も注文しちゃったから予算が無いんですよねー」
アナタが注文したテディベアは
アナタの子供誕生記念のテディベア
アナタの子供のためだけのベアの 頭 目 鼻 口
「注文の顔かたちは わすれた」けど「変えてほしい」
・・・・・何故見ようともせず
変更しようと思いつくのだ。
彼女の思考回路
ワタシには きっと ずっと わからない。
頭の取り替え すげかえ
愛しい愛しいわが子とも思うテディベアの
頭を首を引っこ抜く
目玉の糸も引きちぎる
耳を切り取る
全てはオキャクサマノタメ。
テディベアの悲鳴を聞いた時
私は気が狂った。
自分の心を操作すると
こうなります
今も狂っています。
|