☆言えない罠んにも☆
モクジックス
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| 2004年06月13日(日) |
【こっそり更新】第一弾 自然の風が吹き抜ける屋根の下で |
駅を出る前から、電車を降りた乗客たちのすすむ方向は一つだった。 ぼくたちはすこし並んで当日チケットを買い、中に入って席を探した。 アリーナでは、服を着た白いライオンがバク転している。 ぼくたちが座ると間もなく、ライオンは手を振りながら去って、オープニングセレモニーが始まる。 ぼくはテレビで見るのと距離感が違うことにすこしおどろく。 だがぼくは、アリーナの中心よりも向かい側の席の観客の動向の方がよほど気になる。全員総立ちになった彼らは、お揃いの黒い服を着て、きれいに整列していた。 セレモニー後、装置や人の配置がさっとかわり、メインイベントが始まると、すぐにかれらは手拍子をうち、手旗信号のようなパフォーマンスを繰り広げはじめた。聞くところによるとこれらの行動様式は、世界最大規模の商業リーグや異業種人気リーグの応援方法を導入していて、関係者の間では結構有名らしい。 それは一つのイニングが終わるまで、一定のパターンで繰り返された。 再度、人の配置が入れ替わる。 それに伴いぼくの周りの人々は総立ちになり、打楽器を取り出して踊り始めた。こうなると座っていては何も見えない。立ち上がると、観客席の最前部には、観客であるはずの人が、メインイベントに背を向けて立っているのが見えた。彼が、身振りでいろいろな合図をすると、それにあわせて、観客が声を出したり、とびはねたりする。 楽しそうだったし、なにより、ただ座っているのがだるくなってきたぼくは、てきとうにまざってみた。見よう見まねで踊り、叫ぶ。長時間座り続けた体には、手を振り回したり、声を張り上げたりすることが予想以上に快感で、最高潮の盛り上がりにあわせて拍手をしているときなどは、一種のカタルシスであった。日頃の運動不足が解消される気分である。 一緒にいた人は、そんなぼくを冷ややかな目で眺めつつ、メインイベントの戦略や展開について分析を加えていた。 よく見ると、観客にはかなりの温度差があり、それは例えば一つの家族で来ている場合でも、父親:イベントに夢中、母親:毛布を出してきて子どもと一緒に寝てしまう、子ども:宇宙服のようなカラフルな衣装を着てタンクを背負いガソリンの注油みたいなノズルで飲み物を売り歩く人(胸ポケットの機械でクレジット清算も可能!!)やマシュマロを口に向かって放り投げているおとなりのお兄さんたち(推定年齢12歳)が気になって仕方がないが、母親の手から脱出できない、といった多様な様相を呈していた。
その後、メインイベントの合間には、観客が一斉に大量の風船を飛ばしたり、大盤振る舞いの抽選会があったりして、最後には、花火が上がり、銀テープが舞ってイベントは終了した。
帰りの電車は、夕暮れの日差しを浴びてとろとろ進み、ぼくは爆睡した。
(その後池袋によって、ケーキを食べて、本屋で福祉統計と情報生態学と絶対内定を立ち読みして貧血になった。。。)
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