☆言えない罠んにも☆
モクジックス
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| 2005年08月27日(土) |
おたんじょうびのこと |
お誕生日だったの。あさ、妹から電話をもらって ああ、今日だわ、なんて気付いたくらい、めずらしく、お誕生日気分じゃなかった。 なぜかというと、二日前に本当にステキなサプライズパーティをひらいてもらって、なんだかもうお誕生日が済んだ気分だったから。
というわけで、そんな二日前の話を。
その日は、実家に大学時代のお友達が数人遊びに来ていて、車で高野山と竜神温泉に出かけていた。帰るころには六時前になっていて、おうちでゆっくりご飯、という段取りだった。高野山で浜田屋の胡麻豆腐を買ったので、徒歩5分のところに住む祖母に友人一人とちょっと届けに行って、帰ったら、玄関のドアに紙袋が掛かっていた。ルイヴィトンの袋だ。手に取ると、メッセージカードがついている。
「はなたばをもったひとが きみをまってるよ」
! なにかとてつもない胸騒ぎがした。中には白いビロードのリボンがついた赤いビロードのケースが入っている。(リボンがフェラガモだったので、ヴィトンでもフェラガモでもないことだけ確定)とにかく、玄関に入った。
すると、いつのまにか、一緒にいたはずの友人が、両手でやっと抱えられるくらい大きな花束を持って立っていた。バラの花束だ。赤と、ピンク。1、2、3、4、、、。ピンクのが20本、赤いのが6本。26本ある。その間にはかすみ草がぎっしり。 ええええええ!まさか!! 花束の中に、メッセージカードがあった。でもそのメッセージは、予想していたものと、ちょっと、違った。
「ぴんくのふうとうは ごむのきのしたにあるよ」
?! ぴんくの封筒?ゴムの木?多少動転しながらも、指示された観葉植物の場所に行く。あった。ゴムの木の根元の鉢の上に、大きなピンク色の封筒が。 ひらいた中から、本と銀色の包みが見える。そして、やはり、メッセージカード。
「ばするーむに かくれているよ」
階段を下りて、バスルームに向かう。ここにいるんだな!と思いきや、バスルームは真っ暗。まっていたのは、とっても形のいい松ぼっくりとメッセージカード。
「すりーめんずるーむ」
一瞬停止する思考。友人の顔を見る。無言。瞬時に気付く。お座敷に向かって走った。男の子達が泊まっている部屋だ。ドアを開く。やはり誰もいない。けれど、それは待っていた。花柄の包みと、カード。
「でざーとがだいすきなひとがとまっているばしょは?」
デザートが大好きな人!すぐにわかった。Rちゃんが泊まっているのは奥の和室だ。ドアを開ける。暗がりの中、籐の椅子に、ちょこんと乗せられているリボンの掛かった包みを発見。カードにはこう書かれていた。
「いっぱいひとが あつまるばしょは?」
リビングだ!リビングにつぎの何かがあるんだ! もう、この頃には、手にいっぱい持ち切れないほどのプレゼントを抱えて、ぼくと友人はリビングに向かった。やはり照明は消えている。ガラスの扉越しに見えるのは静まり返ったリビングルーム。それにしても、みんな、どこに行っちゃったんだろう。そう思いながら開けた瞬間。
パーン!
クラッカーの破裂音。それから
「ハッピーバースディ!!!」
ぼくは両腕でプレゼントを抱えたまま、金色と銀色のくるくるしたテープをいっぱいにかぶっていた。Rちゃん、Sくん、Wさん、パパ、ママ。皆がくちぐちに「おめでとう!」と言ってくれた。もちろんさっきまで一緒だったNくんも微笑んで「おめでとう」と言葉を発した。 明かりがともったダイニングのテーブルにはローストビーフやぼくの大好きなエビやそのほかいろいろな料理が並ぶ。真ん中には、溢れそうなほどフルーツの乗ったタルトケーキがあって、H A P P Y B I R T H D A Y と形どられた蝋燭が刺してある。その中央には N A O はぁと と真っ白いアイシングがされたチョコレート。(この配列は見事なものだった。DISKくんのmixiに写真が載っています) 程なくワインがあけられ、晩餐が始まった。 この日の食事は最高に楽しかった。ぼくはワインこそ少ししかもらえなかったが、みなのおもしろい話を聞きながら好きなものばかりでおなかがいっぱいになるまでたべた。食事がひと段落すると、コーヒーやRちゃんのお土産の水中で花がひらくお茶が淹れられ、またお祝いムードになった皆に囲まれて、キャンドルライトモードとしか言いようがない雰囲気の中、ぼくはケーキの蝋燭を吹き消す。そうそう、歌もあった。ハピバースディディア ナオちゃん。
ああ みんな ありがとう。 ぼくは ぶじ 26歳になりました。 こんなステキなおたんじょうびのお祝いをしてもらってほんとにしあわせ。
そうそう、プレゼントの中身の話がまだだった。
最初のプレゼントは父と母からで、箱の中にはいっていたのは銀色のスプーンだった。(箱の形状からアクセサリかと思っていたので大変驚いた) 柄の先にあるレリーフの裏に 19☆☆ 8 27 NAO.I と彫られている。 なんと!ぼくが生まれたときに購入してくれたものだという。 「もう、なおちゃんが使ってね。」 ぼくは祝福されて生まれたんだ。 ヴィトンよりも、フェラガモよりも、ずっとずっと嬉しかった。
ピンクの封筒の中身は、「プレゼント」という絵本(一番のプレゼントをあげようといろいろなところに行く、というお話だ。ストーリーテラーを目指すRちゃんが選んでくれたの!)一緒に入っていた銀の包みは 綺麗なエメラルドグリーンとコバルトブルーの中間のような透き通った色の「死海の塩」。Rちゃんのつくった中でぼくが一番好きな、『人魚の涙』というお話に出てくるのとイメージがぴったりのバスソルトだ。
松ぼっくりは四国の秘境の地で採取してきてくれたものだそうで、『今日から俺は!』を読んだばかりのぼくは、ふだんプレゼントをいちどもしたことのない三橋がりこちゃんに松ぼっくりをあげる話を思い浮かべて微笑んだ。
花柄の包みには、栞が入っていた。藤色に金糸の入った和紙に桜の押し花が入っているもので、桜と同じ色の淡いピンクのオーガンジーのリボンが結ばれている、とても品の良い、綺麗な栞だ。「ナオンさんと言えば、本かなって。」プレゼントをくれた人がいつも日記を見てくれているのがわかって、一層嬉しかった。
最後の包みに入っていたのは、バラのアロマウォーター。 いつも、ロキシタンの前を物欲しげに眺めながら通るぼくを知っている人からのプレゼントだ。ちいさい透明のボトルに入ったローズウォーターと、ベビーピンクのまるい綿のボールがついたスティックがリボンで束ねられたものがケースに入っていた。ボトルにスティックをお花みたいに挿しておくと、スティックを伝って香りが広がる仕組みらしい。 そう、ぼくの東京のお部屋にすごくよく似合う。ぼくの好きなものがみんななぜわかるんだろう。なんてぼくは幸せなんだろう。
この場を借りて、もういちど言うわ。ありがとう。
最後にもうひとつ。 例のメッセージカードにも、ちょっとしたサプライズがあったんだ。 ぼくはこうしてすべてのプレゼントをならべてみるまで気付かなかったんだけど、このちょっとふしぎなメッセージカードを順番にならべて、最初の文字をつなげると。。。。
ああ!お誕生日ばんざい!
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