雑記

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2013年01月11日(金) 仕事でも利用でもごめんです。

年明け割とすぐ学校始まってたり、そろそろ終わりなので実習で終日施設とかあちこち出かけてた今週。まだ無免許なんだからお前らは黙って見てろというところや、できることはちっとやってみ、というとこや、単なる掃除とか洗い物とか作業で時間一杯なところとかいろいろ。就職先決まってない人向けには仕事先探す目的もあるらしいが、近所で仕事すると僕はともかくご近所様の目がどうこう家で言われたのでそんなつもりもなく、まあ本当にただ見るだけのつもりで無駄なアピールとかもせずおっかなびっくりな感じで一週間済んだ。何時間もモップかけたり、食器洗い10人分以上とか、介助でないどうでもいいところで腰痛くしたりしたのが多少辛かったくらいか。

肝心の現場の様子については、どこも大体は予め想像してた通りで特にびっくりすることもなく、厳しい時間制約の中で過不足なくサービスを提供しないといけない訪問の手際のよさとか、デイの利用者が手拍子をあわせるのも難しいようなボランティア(とかインフォーマルなんてのがあまりにも当たり前な考え方過ぎて嫌になることが多いけど)の人達の歌やら演奏やらで退屈そうにしてるので聞いてみたらやっぱり退屈だと漏らしてたり、まあいろいろ制約のある中で、それでも技術より先ずおもいやりとか尊厳とかそういうことだという、こういう仕組みというのを理解してたつもりでいればまあびっくりするような事もほとんどなかったんだけど、それでも一点印象に残ったこととか。
特別養護老人ホームに入所しているある利用者は全介助の状態で、重い糖尿も煩っているため移乗等も完全に2人以上対応で力任せにやる必要がある。食事も介助が必要だけど口から摂ることは出来るので、見ただけでは元が何か判らないものを一応スプーンで口元に持っていけば食べることが可能だった。まあそこまでは勉強したり何かで見たとおりだったのでそういうもんだろうと思って介助の様子を横で見させてもらってたわけなんだが。食べ始めてすぐ、どう見ても口から喉に通りにくくなっている状態になり、経験の長い職員の人はそれでも容器の中身をスプーンで口に押し込む動作をやめない。半分開いてる唇すれすれにあふれている食べ物の様子について、反応のないこの利用者に対して、どのような反応を見るのか聞いてみたところ、容器の中身が減ってるからいいんだという答えだった。経験の長い職員のされることだから正しい介助(というか作業だったんかも知れんけど)だったんだろうけど、変わらないペースで口からどろどろこぼれるのをスプーンですくいとってはまた容器か口に戻している。近くで別の利用者の介助をしている他の職員と大きな声で話すその職員が気付いてるのかいないのかは知らないけど、10分以上経った頃にはスプーンを押し込まれる度に涙を流しているのを見たとき、それが何かのサインなのか、単に少しえずいただけなのか、何度も言うように経験の長い職員のすることだろうから間違いじゃないんだと思うように、、、って咳き込めないけど気管に入ったらしく、あわてて前屈みにして背中バンバン叩いて、、、いやいやきっと全て正しいことなんだよ。きっと。時間通りに、決まった量の食事を残さず摂ってもらうという意味では。これが理想的な食事かどうかはいいんだ。こういう肝心な所はレポートにも書けないんだ。まあレポートなんざ誰も見てないんだろうけどさ。これが現場なんだうだうだ言うな素人がって言われるの目に見えてるしなあ。

という事をやっぱりおかしいよねと思ってくれる人が居るところで仕事したいなあと考えているところ。


次郎吉 |MAILHomePage