今日、地元の駅前で拉致被害者の家族、横田さん夫妻の演説があった。 聞いていたかったのだけれども、急いでいかなければならない用事があって 足早に通り過ぎてしまった。
でも走りながら、演説の声のほうを見てみた。
いつも・・・テレビで一生懸命訴え続けている・・・少し笑い顔のお父さんが マイクを握り締めて演説をしていた。 その横でお母さんがうなづきながら立っていた。
テレビで見ていた時と違う感情が押し寄せてきた。 やるせない憤り。
お父さんとお母さん・・・。
走りながら・・・涙が出た。たまらなかった。
いて当り前のはずの娘が突然、いなくなった。 長い年月をかけて探し続けて、訴え続けて・・・ ようやく届いた・・・あまりにも哀しすぎる知らせ。
真偽は定かではないけれどもどちらも哀しすぎる現実。 そんな現実に立ち向かって、全国各地に赴いているお父さんとお母さん。
駅に着いて電車を待っていても涙が止まらなかった。
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その約1週間ほど前に『THE BIG ISSUE』という情報誌を買った。 街頭でホームレスが売っている情報誌。 1部200円で、90円が出版社へ、110円が売っている人の収入となる。
前々からテレビでやっていて、「どんなのだろう?」とは思っていた。 そんなある日、目の前で・・・あまりキレイではない身なりのおっちゃんが売っていた。 「BIG ISSUE・・・1部200円です。」とおっちゃん。 誰も見向きもしない・・・私も通り過ぎた。 気になった・・・気になった・・・気になって仕方がなかった。 200mくらい歩いて・・・やっぱり戻った。 「おっちゃん、1部200円?・・・1部ちょうだい。」 するとおっちゃんはファイルの中から新しくキレイなのを取り出して 「ありがとうね。」と手渡してくれた。 「今度は6日に売りに来るから、読んでみてよかったら、また来てな。」 「おっちゃんが来るの?6日ね・・・。ありがとね。」 「姉ちゃん、ホント、ありがとね。仕事がんばってや。風邪ひかんようにな。 ありがとね。気ぃつけて帰ってな。」
仕事がんばってほしいのは、おっちゃんや。 風邪ひかんといてほしいのはおっちゃんや。
会社の周りにホームレスのおっちゃんはたくさんいる。 やはり少し警戒してしまう・・・。
でもなんだか切なかった。 時々・・・まるで普通のサラリーマンの休日スタイルのようなホームレスも見かける。 ただ、散歩に出てきた・・・会社の部長・・・のような人。
私が・・・ナニができるワケでもない、ナニを取り立ててするワケでもない。 偽善者ぶるつもりもない・・・。 でもただただ・・・なんだか切ない気持ちになる。
6日・・・おっちゃんに・・・会えなかった。
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