sanpomichi
tora





 WARP

お互い年をとったよね・・・

十年ぶりなのに、
そこには、何の隔たりもない。

いつも会っていたように、
話しつづける。

B’zの、WARPを聞くたびに、
君とのこと、思い浮かべてたよ。

そう、やっぱり僕ら、たいしたもんだってね。

そして、僕は聞いてみた。
思いつづけていた疑問を、
確信へと変えるために。

僕は、君の中で、
どんな存在だったのかな?

少しためらいながら、
君は話し始める・・・

どんなに、わがまま言って別れても、
頼りたくなる。

ただ・・・

あの日、あなたとあの娘が
いっしょに寝てるのを見るまではね。

その言葉を聞いて、
僕は、そのときに感じたことが、
正しかったことがわかったよ。

別れて半年目、
君は、それまでと同じように、
真夜中に、僕の部屋を訪ねた。

いつものように、
君を受け入れる僕がいることを信じて。

そこで見た光景は君には、
思いがけなかったこと・・・

そして僕も、彼女が起きなかったことに、
感謝した。

包丁を取りにきたの・・・
精一杯の言葉を、
僕に言ったんだよね。

僕には、わかっていた・・・

そうじゃないこと。

でも気づかない振りでいたんだ。

そしてまた出会ってしまった・・・

でも昔と違うこと・・・

君は、お母さんなんだよね。


2002年11月07日(木)
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