Simple Song
DiaryINDEXpastwill


2004年07月03日(土) 世界の隅っこで愛をつぶやく。

数十年前の話だ。

その日、私はその人と別れた。
親に、娘をふしだらな結果で結婚させたくないと
無理やり連れ戻された。

いとしい人、世界にただ一人の人。
だけど、さようなら。

貴方は、就職のために、本州へ行ってしまった。
私もついていきたかった。
でも、私はかごの中から外へ出て行くことがなかった。

彼と別れるときに、母が私のアパートにたずねてきたことがあった。
彼女は、散々、彼とのことについて諭して
そうして帰っていった。
そのときの後姿。
その姿を見て、私は彼とのことを終わらす決意をした。

未だに、その背中を私は忘れられずにいる。

その翌年、私は、この人とだけは絶対に結婚しないと
心に誓っていたヒトから猛烈なアタックをかけられる。
職場の同僚、絶対苦手で絶対合わない人だった。

だけど‥

親に「好かれて結婚することが一番幸せ」と
そう諭され私は、その人と結婚した。

結婚式の前、私はあの人にあった。
北海道に、彼が帰ってきてくれたのだ。

 連れて行ってほしい。

心の底から、その言葉を望み待っていた。
でも、

「結婚するの」

その言葉を聴いて、彼が言った言葉は

「安心した。これで僕も安心して結婚できるよ」

私が、彼の傍にいて笑える可能性は絶たれた。
結婚式の前の日。
私はその手にかみそりを握り締めていた。
死にたかった。
あの人と結婚するぐらいなら死にたかった。

でも、結局死ねずに結婚した。

今の私はその夫と別居中だ。
最初からかみ合わない二人がうまくいくはずがないのだ。
そうして、今、2番目に好きな彼と暮らしている。
子供は3人いるけど、もう独立したし
私はもう、好きでもない人と一緒に暮らす必要はないのだ。

* * *

職場のおばちゃんのトモダチの話。
彼女はこの町に住んでいて、
実は私の家のすぐそばのアパートで彼と一緒に暮らしている。

涙が出そうになった。
でも、私も決意したことがある。
私は、好きでもない人と一緒にならない。
好きな人と一緒になる。
絶対に。


tomo |MAILHomePage

My追加