『スウィート・バイエル』
モクジ | 今ヨリ、カコへ | 今ヨリ、ミライヘ
綺麗なお花畑もいいけれどね。 私が好きなのは、小さな森と水。 薄暗く、うっそうとした木々 茂る、葉と雑草 安堵を与える、木漏れ日 小さく流れる水、たゆたう池。 <新宿御苑>
桜の「新宿御苑」に行ったとき、この景色を見つけ。 池の畔にしゃがんで、10分くらい動かなかった私。 さぞや気持ち悪い女だっただろう(笑)、飛び込みそうに見えたかも。 <小石川後楽園>
なにもないこの風景で、立ち止まり。ずーっと眺めてた。 この上なく落ち着く上に、どこか嬉しい気分になる、いとおしくてたまらない。 何か宝物が見つかりそうで、ワクワクもする。 たぶん、私にとっての 「原風景」 なんだろうと思う。
私が生まれてから過ごしたのは、東京の工業地帯。 あぶないからと外に出ることは禁止。 空気が悪く、交通量も多い。 私は虚弱で、扁桃炎で高熱出して寝込む日々もしょっちゅう。 周りに子供はほとんどおらず、アパートゆえはしゃぐことも出来ず、 ずっと部屋の中で静かにしていた。 公園も滅多に行かなかったと思う。 学校に上がる前に、東京の農村地帯に越してきた。 まだ舗装もされてない道があり、田畑があり。 初めてかかしを見た。 用水路があり、メダカも少し泳いでた。 溝川も透明度があって、フナが泳いでいた。 そこここに、畑を辞めた空き地があった。 小山や、ずっと水が引かない大きな水たまり(池レベルのサイズ)や、冬の間は氷が溶けない日陰の溝川があった。 その溝川に囲まれた地帯に渡る「橋」があった。 いや、橋なんていうたいそうなものじゃない、勝手に板を渡してわたれるようにした橋もどき。 基本、立ち入り禁止の私有地だったので、とても一人では冒険できなかったけれど、時々、友達と行った。 上陸して踏み込めば、うっそうとした木々の中に明るく開けた場所が。 そこは自由に行ける空き地とはまた別格。人がほとんど踏み込んでいない秘密の島という感じだった。 実際、秘密の基地みたいなのを作ったんだけど……地主に見つかって壊されてしまった(苦笑) それらは……まさに、庭園の薄暗い場所(画像場所)と同じ。こんな景色だったと思う。 そして、昔の地元にはこういう風景が至る所にあったのだ(笑) 再開発だの何だので、今は全て無くなってしまったけれど 防災地区なので高い建物はない。 ゆえに、空だけは広く高い(笑)
若い頃は地元を離れたくて仕方なかったけれど 、今となっては離れがたい。 というか、昔のあの町と同じ印象の所に住みたいくらい。 ……私には都会は似合わないのだろうか? 田舎に引きこもるか〜(笑)
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