日の想い
幸花



 1日目

11時頃に集合。
オペラシティーの地下1階のリサイタルホールにて
モーツァルトオーボエ協奏曲の弦分奏(バイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバスだけの練習)開始。
但しアシスタント・コンダクター内藤先生の指示のもと、
弦楽器は各楽器のトップ(最前列の片側の人・その楽器の責任者のようなもの)
と先生(プロの方が各楽器の下支えに数名入っています)の席を残して席をシャッフルする。

大抵のオーケストラ(オケ)の場合弦楽器は、前にいくほど上手な人が多いが
このオケの場合はむしろいつもと違う音が響いて楽しい。

そうして2時間ほとの練習の後、ストラビンスキーの火の鳥の合奏となり
モーツァルト1曲のりのチェロとオーボエは待ち時間となった。
練習する場所として小リハーサルが提供されていたものの
しばらく火の鳥の合奏を聴いていた。

練習を見学する時の席は当然指揮者から見て一番奥である。
つまり普段チェロの位置からだと見られない楽器のそばに陣取ることとなる。
今回、金管(トランペット・トロンボーン・ホルン・チューバ他)の中でも
舞台右奥にくるチューバがミュート(弱音器)をつける様子を初めて見た。
楽器が大きいので当然ミュートも大きい。
他の金管だとスライムのように刺す部分が細いのだがチューバの場合、
メガホンを2、3回り大きくしたような形で、しかも取っ手がついていた。

さてそのような観察も合奏の合間の休憩時間になると終了し、
チェロ同士で合奏しようという話になった。
前回の練習の時にチェロ4重奏用の譜面をもっていた人がいたので
それを借りて5、6人で即席チェロアンサンブルを楽しむ。
丁度パーカッション(ティンパニ・バスドラム・小太鼓他)が練習していて
音が良くきこえず、また皆が初見大会ではあったが
出せるところはがしがしと音を出せて楽しかった。
コピーさせてもらえるよう頼んだところ、快く6重層までも貸してくれたので
同じ階にあるコンビににいって沢山コピーさせてもらう。


因みに期間中オペラィティの地下1階はどこにいってもオケ大のメンバーがいた。
演奏する学生だけで84人もいたので、同じフロアのコンビニやロッテリア、サブウェイなど
かなり儲かったのではなかろうか。
ロッテリアの店長などは、スタッフに問い合わせたらしい。


その後モーツァルトの合奏となる。
これはあっという間に終了し―オーボエのソロがいないから尚更である―
再びストラビンスキーの合奏練習の時間になった。
この時も私は練習をきいていたのだが、その時に本番の時のサプライズ企画を知る。
火の鳥のコンサートミストレスいわく、
マエストロ(指揮者)でありオーボエのソロもやる、シェレンベルガー(以下シェリ先生)へ
演奏が終わってから皆でダンケシェンを言い、花束と色紙を渡すという内容だ。

しかしそれ以前の休憩中に、火の鳥の降りばんである私達チェロ・オーボエの
6人にはもう1つの計画もきかされていた。
モーツァルトのコンサートマスターと火の鳥のコンサートミストレスの両名へも
シェリ先生へ渡すと同時に花束を渡すというものである。

全日本大学オーケストラ大会、通称オケ大(おけたい)の運営は
全てボランティアの学生スタッフが行っている。
けれどもこの企画は奏者から出されたので奏者がことを進めなければならない。
しかしこれらのサプライズ企画はそれぞれ発案者はいたが、責任者がいなかった。
そこででしゃばりかとは思いつつも集金などもろもろ自分が引き受けることにする。

つまり明日は忙しくなることがこの時点で決定したわけであった。

練習が終了したのは21時頃。
そのまままたしても新宿へ20人ほどが流れ飲み会となる。
ほとんどが地方からきたホテル組、つまり品川の人達だったので長々と居座る様子だったが、
私は風邪をひいていたのであまり飲まずに食べて終電頃にとっとと引き上げる。
因みにその後きいた話ではホテルでもまた飲んでいたらしい。
若いって素晴らしいと感じた私は…あまり若くはないのかもしれなかった。

2003年11月22日(土)
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