:::排出系列:::




俺が明日死んだって、地球は回っているんだから。





2004年02月19日(木)  手のひらに

わたしは大切な秘密をあの人に打ち明けました
あの人は小さな相づちをいくつか打ちながら
否定も肯定もすることなく
わたしの秘密を受け入れました
その日の気温は暖かく
コートはもう要らなかったのでした
 
包むとか大切にするとかそういう言葉に
戸惑い続けていたわたしを嘲笑せずに微笑したのは
後にも先にもきっとあの人だけだと思うのです
 
時に擦れ違いながらそれでもわたしには
あの人の耳の形も背中の広さも
小さな仕草ですら忘れることはないでしょう
この世界で初めてわたしの秘密を識る事となったあの人も
いつかわたしを見限ってきれいな黒髪の女性と
抱き合い始めたとしても
わたしはあの人を忘れないと思います
 
恋人ではなく友人でもなく知人とも呼べないあの人が
わたしの手を握った強さはずっと
わたしの手のひらに残ってしまったのですから


kei ☆メール ☆少女カタルシス



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