:::排出系列:::
俺が明日死んだって、地球は回っているんだから。
一時間と十五分ゆらゆら電車に揺られて 耳にイヤホンをぶち込んで君の街へ 携帯電話は圏外 鞄の中から引っ張り出した文庫本 紛らす退屈に 時間は無為に過ぎる 正面の見知らぬ学生と たまに交わす視線が 嫌い 声が出なくなったような錯覚に 叫び出しそうな声帯に たまに目を閉じたり 冷めたコーヒーをただ流し込んだり 一時間と十五分が 長くも短くもなくて 吸い込まれたトンネルの出口があるのかすら曖昧 終点の君の街に着いたら 大量の人間を嘔吐する改札口から 吐き出される吐瀉物にわたしも変化しよう 改札を出たって そこに君がいたって居なくたって 歩いて 歩いて 行こう
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