Stage Diary
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Yoshimi.Aが観た舞台の感想です。
レポートではなく感想だけを載せてたりすることが多いかも…。(^-^;


2002年07月05日(金) 『源氏物語』

瀬戸内寂聴 現代語訳による 白石加代子の『源氏物語』第二夜…明石 でした。

う〜ん…これはなんと言ってよいのやら、迷う舞台でした。
先ず、以前に『百物語』を行き損ねていたので、朗読劇という形も初めてでした。実際に観るのはどんなものかと思ってましたが、『本を読みながら話を進める劇』に終らないのは白石さんならではでした。朗読主体で動きが少なくて、もっと退屈してしまうかも…とか、仕事帰りに行ったから寝てしまうかも…とか、思ってたんですが、まあ退屈することも寝ることもなくすみました。
普通の劇のようにオーバーアクションはないけど、結構、舞台を歩き回ったり…何より!何をしだすかわからないところのある人だから(笑)、目が離せない。

しかし、どうでしょ…現代語訳とは言えど、古語のニュアンスをそのまま伝えたいものはそのままだったので、現代じゃ使わない言葉だらけだし、和歌は当然そのまま…その意味も解説しながらの(親切といえば親切な)朗読劇でしたが、なんかまだるっこしさを感じてしまって…ちょこっと冗長…?
プログラムの中でも白石さんが語ってらしたのですが、『古文はほとんど外国語のよう』ですって。
『源氏物語』は小学校でマンガで読む古典…みたいなのでさわりだけ読んで、中学で現代語訳で読んで、高校くらいのときに姉が買った『あさきゆめみし』を全巻通読…その頃、好きだった漫画家が描いた『源氏物語』のコミックスを1冊読む。
それ以来、『源氏物語』に触れてもいなかった私はその意見に激しく同意したいです。

須磨・明石…と聞いていたので、明石だけかと思ったら、朧月夜や末摘花も朗読されていて得した気分といえば得した気分でしたが…第一夜は六条御息所で、夕顔も若紫も出る…と知っていれば、第一夜の方を見てみたかった。<若紫好き(笑)
でも、休憩の時に第一夜も見た人が『昨日の方が情念渦巻いてるような話だからわかりづらかった』と言っていたので、第二夜の方を選んでよかったのかも(笑)。
プログラムにも『野分』は原文…と書いてあったので、観に行ってたらツライことになっていたかもしれないとも思いました。(-_-;

しかし、登場人物によって声の調子を変えるだけで、場面が変わったことがわかるのは…やはり、才能としか言いようがないですね。
舞台や背景がシンプルだけに、そこが即座に宮中にも明石にもなる。何もないことで、かえって何処にでもなるというのは画期的なことですが、役者さんと演出家の先生がしっかりしてないとこれはコケてしまいます。
姫も、それぞれ性格の違いが声の調子だけでなく、細かなしぐさで表現されているところは流石なのですよ。
おまけに…源氏物語は恋の物語なので、艶やな場面も出てきますが…『これ以上はここではお見せすることができません』と言いつつ、エロティックな香りが…!
見せない方がイロイロ想像してしまって…エロティックだと思うんですが。(^^;

まあ、あとは末摘花ではお鼻を本当に赤くしてらっしゃって…笑いました。
笑えるところは軽妙に笑わせてくれる、シリアスなところはシリアスに…というのは瀬戸内寂聴さんの『源氏物語』そのままですね。
寂聴さんが『白石さんにやって欲しい』と思ってただけあってはまってました。
しかし、久々に触れた『源氏物語』だったわけですが、光源氏ってヤな男ですね。
言い訳の達人で、どの女性にも調子よくて…本当に、どーしよーもない(笑)。
それでも、『源氏物語』に惹かれるのは登場する女性たちの方が好きだからなのだけど…光源氏がどうしようもないような男だからこそ、物語が面白いのかなぁ。

…第三夜の予告も入ってましたが、いつやるんでしょうね。


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Yoshimi.A. [MAIL] [HOMEPAGE]