2003年05月30日(金) |
『太陽まであと一歩』 |
前フリのノスタルジーのみで観に行ったようなものだから、あまり予備知識は仕入れずに行ったのですが、かえってよかったような気がします。 しかも、金曜のソワレ…という最悪な日にちだったので、『くだらなかったら寝るかもしれないけど後ろの席だし(某劇団の時は最前列センターでも寝てしまいました)、チケット代安いからいいや…』とか思ってたことは内緒でした。 でも、寝てるヒマなんてないくらいに面白かったです。
先ず、入場の時にパンフやチラシと共に、クリアファイルが貰えました。 黄色のファイルで大きな文字で『おしずかに』とあります。 裏面には『おしずかに』クリアファイルの使い方説明。 上演中は喋らないとか、携帯電話を使用しないとか…当たり前のことが書かれているのですが、その当たり前のことを守れない人があまりにも多くなってきている証明のようで、情けなくもありますが…こういう心遣いが大好きですよ。
上演前のコント・タイムでも、その説明………なんちゃって!(笑) (本当はコント・タイムではなく、So-netのプロモートやら、グッズの宣伝)
ありがとう! これから劇場に行くときには必ず持っていこうと思います。 なんと言っても、今年の夏はマナーの無法地帯、悪(婆ァ)の巣窟、帝劇公演が待っていることですし! 一言注意すれば、逆にこちらが睨まれる理不尽さもこのクリアファイルで解消ですね!(笑)<劇場好きならおわかりかと思いますが、実話です。
しかし、それでも上演中に携帯電話の音が鳴り響きました。 私がいた列の2〜3列まえの7〜8番離れた席のあたり、ここが発生源でした。 上演の前に念入りな携帯電話の電源チェックタイムがあるにも関わらず、これです。 本当に、深刻な問題になってますね。 マナーを守れない人や、携帯電話の扱いに慣れてない…携帯電話に使われている人は、加藤さんが仰っていたようにバッテリーはずしてください!
それはともかくとして、お芝居は面白かったです。 魂が映画の世界に入り込んでしまい、その結末を変えようとしている映画監督の兄を救うため、大学の助教授の弟が後を追い、映画の世界を奔走する…って、これだけの説明じゃ何が何だかわからないでしょうから、詳しくはキャラメルボックスのHPなど参照で…(苦笑)。
キャラメルボックスはいつもSFな設定ですが、それを舞台でやっちゃうのがスゴイですね。今回の舞台は場面転換でSF要素を必要とするわけじゃないけど、ちゃんとその設定が役者さんの説明くさい台詞ばかりが続くのではなく、いつのまにかその世界観を納得させられている。(台詞が説明くさくなるのはどうしようもないんでしょうが) しかも、笑いのつぼはきっちりと押さえ、そして後半はほろりほろりと泣かされて。 さらに、SFな設定のクセにすごく懐かしい気分にさせられる! ただ、それだから、今回の公演を観に行こうと思ったような気がします。 日常に疲れて、何処かに置き忘れてきた気持ちを探しに出かけるような気持ちで…。
いつもはミュージカルなんかを観て、舞台と客席は違う世界で、決して交じり合うことがないと思うんだけど、キャラメルボックスの場合は舞台と客席が同じ世界にちゃんと同居できているカンジ。 お客さんを巻き込んでのパフォーマンスがあるわけじゃないけど、舞台までの距離がすごく身近に感じるというか…舞台と客席が一体化してるといえば適切でしょうか。 きっと、この劇団にとっては客席も舞台の一部なんでしょうね…と思えるような暖かなものを感じました。おそらく、キャラメルボックスにはまる人というのはこの空気に魅かれるのでしょうね。
ただ気になったのが…劇団の公演だとその劇団色とでもいうのか、それぞれにカラーがあるものなのですが、ひと〜りだけ浮いてらっしゃる方がいました。 別に、その人だけが下手糞だって言ってる訳でなく、むしろ…演技力はずば抜けているでしょうね。ただ、周囲との違和感が拭えないのが………(^−^; その違和感の持ち主は現在、とても人気者な某氏なので…そのうちに劇団から去っていってしまうような気がしてとても心配です。人気が出たせいで天狗になって、周囲との調和より、自分がめいいっぱい目立ちたがっているだけならいいのですが(笑)。 人に『役作りのなんたるかもわかってないくせに何年ものうのうと役者を続けやがって…』なんて言ってるよりも、ご自分を見つめ直していただきたいものです。 (しかし、これは台詞だったのか、本音だったのかが未だにわからない…)
でも、何よりオソロシイと感じたのが…岡田さつきさん。 まだ、お若いはずなんですが…しっかりおばあちゃん役が板についてました。(^^; …『広くてすてきな宇宙じゃないか』の時も、おばあちゃん(アンドロイドだけど…)でした。 その時も、後から写真を見て驚いたものです。 『なんで、このお姉さんが、あの婆さんになるの!?』…って。 しかも、さらに貫禄が増してますしねー、舞台女優さんというのはどうしてこう……不思議な生物なのでしょうか。 ともかく、この日は岡田さんのお誕生日だったので、カーテンコールの後で『ハッピーバースデーの歌』を歌いました。(^^)
生ならではのこういうお楽しみがあるので、劇場に通うことを止められません。 今度はいつ名古屋に来てくれるかわからない劇団ですが(苦笑)、スケジュールがあえば…(^^;…東京か大阪あたりでもいいから、また観たいです。
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