カモメが・・・カモメが・・・

いつものように通勤電車。
途中の駅からごっそり人が乗り込む。
混雑も皆が譲り合った上でどうしようもなく、詰め込み状態なら穏やかに我慢するさ。
しかし、ラッシュアワーはそんな心優しい状態をる許すはずもなく、刺々しい自己中心的な場所取りが繰り広げられる。
その日もラッシュだった。
いつものように混雑してはいたが、比較的秩序正しい混雑ぶりにホッと胸をなで下ろした。
が、安心したのもつかの間、およそ不自然な向きに体を押し込んでくるヤツがいた。
グイグイ!ぐいぐい!
痛いんだよね!
女で伸長がそれほど高くなかったせいで、肩が背中にゴリゴリとあたる。
なんだこいつー!
おまえ何で斜め向きに立ってるんだよ!
みんなちゃんと前向いてるだろうが!
その体勢の方がよっぽど辛いだろ!?
そんなアホタレのせいで、先ほどまで穏やかだった気分は悪魔になった。
荒んだ。
自分の立ち位置をとりあえず確保するために、アホタレに挑んだ。
どんなに揺れてもこの足だけはどかさない、と。
なぜなら、そいつの足が私の足をどけようと踏みつけてくるからだ。
より荒んだ。
攻防は続いた。
もたれかかってくるアホ女。
顔を見てやりたいが後ろに立っているので見えない。
そういつのまわりにはスペースがある。
なぜそのスペースに移動しないのか?
わたしの周りには移動できるほどのスペースは(その女が押し込んでくるため)ほとんどない。
むっか〜〜〜〜〜〜!!
と、切れそうになったそのとき、後頭部からうわごとでも言っている様な変な声が聞こえた。
「カモメが・・・。」
は?
その日の乗客に会話をしている人はいなかった。
だから余計その声が耳に入ったのだろう。
(・・・カモメ?・・・)
そしてまた、ぽそりと・・・。
「カモメが・・・。」
声の主はやっぱり後ろのアホ女だった!
きゃー、なんか怖いこの人!
なに?!カモメって、あなたには何が見えているの!?
その瞬間から、私はその女に挑むのを止めました。
空間のない車内で、無理矢理に彼女から離れた。

わたしは、いけないことをしたのでしょうか・・・。
2002年09月24日(火)

Solfeggio〜レッスンで感じたことを。 / ちるるん。

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