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| 2002年07月16日(火) ■ |
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| 下線に注意。 |
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HALKILEEKがメールで呼ばれて来てみると、待っていたのはHATORIだった。
「ハルキリさんだ!」
「珍しいな」
「おひさしぶりです」
「久々だ」
軽く挨拶を交わして近づいてゆく。
「ノーマル遺跡をクリアしたんですよ」
「ほう」
「そんでですね。おみやげです」
HATORIはにっこり笑ってHALの目の前に生マグを差し出した。
「………」
思わず受け取ってしまったものの、生マグを手のひらの上に乗せてしばし硬直してしまうHAL。
「…ひとつだけ聞かせてくれ」
「何でしょう」
「なんで俺なんだ…!」
「え?」
「他にもいるだろう…! 弟とか…!」
「だって、ハルキリさんに渡すといいことあるってみんなが言ってます」
「みんなって誰だよ…!」
「みんなはみんな」
「く…!」
どうせ赤いのだ、絶対そうに違いないと思いつつ。
HALの倉庫には既にもう2玉ほど生マグがいるのだが、だからと言って生マグの受け取りを拒否する理由にはならない。生マグ拒否がバレたらHARUKIに分解されて廃棄されてしまうことは火を見るより明らかだ。
「ありがとう…大事に育てるよ…」
「いえいえ」
拳で壁を殴りつけたい衝動を必死に制御しつつもらいたての生マグをチェックルームに預ける。
「それじゃあそろそろかえろうかなぁ」
「待て。せっかく上がって来たんだからハード遺跡1周して行け。ダゴンが出るぞ」
「じゃあ、部屋つくってください」
「うむ」
一旦ロビーに戻る。
「はーくん遺跡だ〜」
「………」
「俺もはーくん」
「……!」
確かにHATORIだからはーくんと言えばはーくんなのだが、何故か屈辱と怒りを覚えてしまうHALである。
部屋を作る。
武器もマグもないと言うかわいそうなHATORIのために装備品を物色する。
「バニッシュ貸してやる」
「やった〜」
その代わり、ちゃんと返せよ! …続けて言おうとした台詞が何故か表示されない。
HATORIがマグはMINDでもPOWでも良いと言ってるのは聞こえたのに…。
回線切断。
…せっかく部屋入り直してID変えたのに…一回出た意味ないし…。
すぐさま復帰。
「マグだな」
何事も起きてはいなかったかのような口調で会話を続けることにする。
MINDマグは育て中のハンバーガー、これはLv170くらいしかない。
POWマグはRootsから貰ったマドゥと愛用のヴァラーハ。ハード遺跡ならDEX>POWのイラーで十分だからヴァラーハを貸すか…。
ソウルバニッシュとヴァラーハを渡してやる。
「POWマグで良いな」
「はい。俺のバニッシュでなぎはらう!」
「俺の…?!」
「もうもらっちゃった」
「やってない!」
「だってさっき、ハルキリさんが落ちる前に貰いますよって言ったもん。返事がないのはイエスのしるし」
「…お前、妹と性格違いすぎだ…!」
「そうかなぁ」
まったく、このきょうだい4人(FUBUKI、HIBIKI、HATORI、HISAME)とも性格が違いすぎる。
同じ親に育てられたとはとても思えない。
だがしかしこんな4人にも共通点というものはあるものだ。
…それは全員揃って俺をやたらにコケにする(氷雨は無意識にらしい)ということ…。
「とにかく、行くぞ!」
転送装置に向かう。
「うい〜」
「ダゴンはラ・ディメニアンが落とすらしい」
「ラの人ですね」
…思わず足を止めてしまう。
「…人…違う…」
「え〜。だってにいちゃんもねえちゃんもこう呼んでるんだもん」
「吹雪もかよ…!」
「俺も氷雨にこう教えたし」
「教えるな…!」
「ておくれ」
「くっ…!」
遺跡エリアに降り立つ前から既に絶望的な疲労感を覚えつつ、転送装置に入るHALであった。
今回遺跡にHALが持参した武器は以下の4つ。
洞窟25(確か)遺跡50チェインソード。遺跡50もついてるのだからUlt遺跡でもちょっとは役に立つはずだと使用してみたらそもそも当たらなかったという苦い記憶の伴う武器だ。
遺跡40命中-5赤のセイバー。今となっては誰から貰ったのか失念してしまったが、とりあえず自分のIDでは赤セイバーが出ないので大事に保管しているもの。
坑道45スタッグカットラリ。これはモーションを見たいがために。
そしてどっかに10が2つついてるエッグブラスター。たまには使わないとな…。
それらの武器を駆使してハード遺跡のエネミーを片っ端からなぎ払う。
Lv130のHUcastがハード遺跡に、しかもLv15のシフデバ有りでやって来てるのだから卑劣を通り越して卑怯である。
ふと気づくと、HATORIが何かもの言いたげな目でHALの方をじっと見つめている。
「?」
「ハルキリさんに経験値根こそぎされたってHARUKIさんに言おう…」
「ほ、補助を素早くかければいいじゃないか!」
「かける前にやっちゃうんだもん」
…日頃のストレスを解消するのに気をとられてチームメイトへの配慮が欠けていたことは認めるし謝罪もするが、HARUKIに言いつけるのだけは勘弁してくれと心の中で哀願するHALである。
氷杖ダゴンなど出る気配も見せぬまま、遺跡を突き進む。
「そう言えば、ここに来る前」
「なんだ」
「馬がWS出したんですよねぇ」
「じゃあもう何も出ねぇよ…!」
相変わらず鐘にかわいそうなくらいはまりまくるHAL。
この辺で落ちて来るよなぁと思い避けてみたら捕まった。
「あのぅ…」
「ふう…」
「わざとやってるんですか…?」
「…なんか俺もわざとやってるような気がしてきた…」
「…おもしろいです」
「俺もおもしろくなってきたよ…!」
もう自棄である。何故あんなにはまるのだ。
ヴァラーハのゲージが貯まりPBを出したHATORIが、HALに駆け寄って来て一言。
「パイラがついてなくてとまどいました!」
「さあ、次の部屋へ行くぞ!」
「……ふう」
「パイラもマイラもついてるぞ。…このイラーには…!」
「ふう……」
エリア1のとっかかりでステイト/メンテナンスを、エリア2の終盤でデルセイバーの右手を拾い、こりゃもう何も出ねぇよ今回のこの遺跡。という倦怠感の中で温泉休憩。
「俺、テク全部15なんですよ〜」
「すごいな」
「あれです」
「どれだ」
「健忘症さんに、Lvで負けてるけどテクは勝ってるなぁ、と」
「だが、あいつは覚えたテクどんどん忘れてゆくのだろう?」
「ああ、そっかぁ」
「うむ」
「たいへんですね」
「たいへんだな」
3日でテクLv1ぐらい下がるそうです(嘘)。
ラストフロアまで走り抜けて…結局ヒット・マインドマテ各1個にグラインダー若干しか出なかった今回のハード遺跡。
黄色レアと言えどこれまで2000時間近くやって来て(限りなく真実)一度もお目にかかったことないものがそんな簡単に出るわけないか…。
PINKALベリハ洞窟を一緒に回ってくれる人募集。
ただしHALKA にいさまと(ひい!)。
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