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今年の初芝居は『12人の優しい日本人』でした。
やっとこの作品を観たのですが、期待しすぎないようにしないと肩透かしくうな、と、思っていったのです。杞憂におわりました。
12人の役者がほぼ出ずっぱり、個性的な役者揃いの中、個人芸でもっていくこともなく、まとまりすぎもせず、だらけもせず、よく出来たお芝居でした。 難を言うなら、「だから12人が出ずっぱりなんだよ!」マルチアングルな目が欲しかったです。 満員御礼でなければ、そしてチケ代がもちっと安ければ(舞台仕掛けに凝りはないけど、あの役者陣なら仕方ないチケ代なのか・涙)、三回くらい観たかったです。
やっぱり台詞のあるとこ目で追ってしまって、「あ、しまった」って思ったりするのですな。かといってお目当ての役者がん見って言っても、一人やないっちゅーねん、やしね。
ブルガリ三四郎(気に入ってるらしい)とはまったく違う小日向さんがいて、さすがにお上手。生瀬さんも味をいかしつつ、でもそのどの顔なんだろ?で。ぽそっとしゃべる筒井くんは、やっぱりいいわ、こんな役が。ちと心配だった江口洋介はかっこよかった(笑)、で、もともとある芝居なのに、今回の配役に当て書きしたみたいにいやらしくない江口さんで。
でも誰よりですな、誰より地味な役、陪審員1、の浅野和之さん!!あたしゃ、アンケートにばり書きましたよ!台詞が少ないんだけど、印象が薄くなりすぎてはいけない、かといって出すぎちゃいけない。「でも、そこにいる」っていう芝居のうまさ!!素敵でした。
で、二月に入って『クラウディアからの手紙』を観ました。今年、初蔵様です。昨年1にあげた『時には父のない子のように』がDVDになって発売されてましたが、「EndlessSHOCK」、「城」前でお金ないくせに、サイン入りは今しかないかも、って購入しました。あぁ・・・。
私、クラウディアからの手紙の原作も読んでないし、当時のドキュメンタリー番組も、まったく知らなかったのです。フライヤーに書いてある数行のあらすじだけで出掛けました。だもんで、蔵様、高橋恵子、斎藤由貴の三人芝居かも、くらいの知らなさ度でいきました。
ほぇ〜っ。 あのような話を、舞台装置ばっちりリアルに組み立ててつくったりしたらダメだったろうな〜。あの、何もないくらいの、何かが何でもに化ける感じの最低限小道具、美術で、一瞬違和感があったダンス的な人の動きが何かを暗示する、モダン(陳腐な言い方)なつくりが、かえって三人の男女が戦争と戦後の思惑に翻弄された運命の悲劇と、その三人の心根の美しさを際立たせ、リアルなものとして芝居として具現化したのかと思いました。 また、登場人物が、主役の三人含め台詞でなく「語り」もする、という脚本のスタイルが、時間軸と、「知るはずもない相手の暮らしの中に知るはずもない側の女がいる」不自然さが、違和感なく、すべてが明らかになってその時間を想像し、埋め合わせ、共有しようとし(?)、悲しみをいたわり、慈しみ、・・・、そんな構造で感情を表現できるのか、と、感じ入りました。
そして、静かなシーンの多い芝居で、季節柄、咳が出る側でなくてよかったが、「喉飴ないのか!」と、苛々したはじまりから、後半、鼻をすする音があちこちで。致し方ないと思いつつ、やっぱ邪魔なくらいな場合があるので、って、これは私こちら側になりそうだったので、ずーっと流れる涙と鼻水をすすらずミニタオルでおさえ続けました。 えぇ、「手で涙をぬぐい、目ぱちぱちして視界確保、鼻水はカーテンコール後、かめば間に合う」感じの私でしたが、今回はダメでした。 こんな感じに泣き続けて観た芝居ははじめてかも。
二ヵ月で二本。 ん〜、もっと芝居を観たいな〜。「EndlessSHOCK」試写会とおうちにきたDVD観ながら、やっぱり今年は歌舞伎も観たいと強く思ったし。(この因果関係は両方知ってる人はわかるかな、感覚)
一歩一歩、一本一本、がんばろ。
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