サボテンは歌う。

2003年10月11日(土) ちょっとしたミステリ談義

何だか体調が悪くて1日ごろごろしては本を読んでいた。

仁木悦子の短編集はほぼ全て読了したのでいよいよ長編を読み始める。
まずは代表作「猫は知っていた」から。
仁木作品には仁木兄妹物、三影潤物、吉村駿作物といろいろあるけれど
やっぱり私は仁木兄妹物が好きだな。

男の作家の書くミステリに出てくる女の人ってどうしてもステレオタイプで
現実的じゃないように感じるけれど、それって私が女だからなのかな。
男の人にとっては女性作家のミステリに出てくる男がにせものくさいのかしら。
男の人は宮部みゆきの描く少年なんかをどう感じてるんだろう。

ミステリ好きでかなり乱読している私がほとんど読まない人気作家が2人いて
1人は北村薫。もう1人は森博嗣。
森博嗣はおいておくとして、北村薫に関してはどうしても彼の描く女性が
肌に合わないのだ。

北村薫が覆面作家だった時代を私は知らないのだけど、何の先入観もなく
彼の作品を読み、作者は当然男であると思っていた私は、北村薫の正体を
女だと思ってた人がいると知って驚いた。
円紫シリーズに出てくる「わたし」ってちっとも本物っぽくない。
どうしても女性に対して過大な幻想を抱いた男性による造形だって感じるし、
その幻想が透けて見えるところがいやなのだった。

たぶん彼はものすごくロマンチストなんだろう。
そこが好きな人もいっぱいいるんだろうけれど、私にとってはそこが苦手。
ミステリとしてはおもしろいと思うだけにちょっと残念。


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