サボテンは歌う。

2003年10月20日(月) スルメミステリ。

本を読むのがかなり早い方だと思う。
文庫本1冊だとすぐに読み終わっちゃうので出かけるときはたいてい
2冊持っていく。

そして、読む早さに比例してるのか、読んだ内容を忘れるのも相当早い。
だもんでミステリなんかでもちょっとおけばかなり新鮮な気持ちで読める。

ミステリは1度読んだらそれでおしまい、という人も多いから、結構お買い得なタイプ
だと思う。
・・・そんなに忘れっぽくてどうする、とも言えるけど。

というわけで、頻繁にミステリを読み返す私なのだが、
その中でもいくつか定期的に読み返すミステリがある。

たとえば、

▼宮部みゆき著「ステップファーザー・ステップ」
▼加納朋子著「ガラスの麒麟」
▼西澤保彦著「匠千暁シリーズ」
▼岡嶋二人著「なんでも屋大蔵でございます」
▼菅浩江著「歌の翼に―ピアノ教室は謎だらけ」
▼若竹七海著「古書店アゼリアの死体」「ヴィラ・マグノリアの殺人」
      (葉崎コージーミステリシリーズ)

などなど。

さすがの私も繰り返して読み過ぎて、内容はほぼ暗記してるんだけど
それでも読み返したくなってしまうし、何度読んでも飽きない。
いわば、これらの本は私にとって、噛めば噛むほど味の出る「スルメミステリ」なのだ。

さて、どんな本がスルメミステリになるかの基準を考えてみると、
「魅力的なキャラクターが描かれていること」が重要なポイントのようだ。

「あの話が読みたいな」と言うよりも「あのキャラクターに久しぶりに会いたいな」
と言う感じで読み返しているのだと思う。
上にあげたミステリがどれも同じキャラクターを使った連作物なのは
そのせいだろう。
(若竹七海の作品はあまりキャラクターは重なっておらず、同じ町が舞台なだけだけど)。

けれども「ガラスの麒麟」と「歌の翼に〜」は1冊で内容が完結してしまっているし
「なんでも屋〜」は岡嶋二人が解散しちゃったからどれも続きが期待できないので残念。

宮部みゆきもステップファーザー・ステップのキャラクターを使った長編の
構想はあるみたいだけど、初期とは作風が全く変わっちゃってるからもう書かない
だろうし。

結局続きが期待出来るのは匠千暁シリーズや葉崎シリーズだけなのが辛いところだが
年内には匠千暁シリーズの久々の新刊も出るようだし我慢しよう。


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