Pさんに「絶対見逃したら損するから!」と2日前に唐突に誘われ、 歌舞伎を見に行くことになった。 何でも坂東玉三郎が15年ぶりに七変化とかいうのをやっていて大好評なんだそうだ。 私にとって、歌舞伎は初体験。 歌舞伎なるものに一度は行ってみたいとは思っていたけれど、こんなに急に 行くことになるとは思わなんだ・・・。
さて、開演は4時半。 平日の4時半からの観劇なんて普通の勤め人じゃ難しいのではと思ったけれど 案の定年配者と主婦が圧倒的。 ちなみに私は、たまたま仕事で4時まで御成門付近にいたのでそのまま直帰したことにして 何とか4時半の開演に間に合った。 ・・・私は普通の勤め人じゃないのか・・・?
入場と同時に夜ご飯の予約をする。 かの有名な吉兆で夕食〜と楽しみにしていたのに何と既に満席! うーん、がっかり。 でもたった30分しかない幕間に食べる食事が6500円と言うのもどうかと 思うので満席でよかったのかもしれない。 結局地下の食堂の幕の内弁当(2000円也)を予約し席に向かう。
夜の部は2幕あって、最初の演目は「祇園祭礼信仰記〜金閣寺」。 何を言ってるんだかさっぱりわからないけれど、そんな素人さんのために イヤホンガイドがあって丁寧に解説してくれるので結構ストーリーにはついて行ける。 松本幸四郎が主役だったのにはびっくり。 「玉三郎が出る」とだけしか聞いてなかったもので・・・。 こりゃあ幸四郎ファンのK氏がうらやましがるだろうなあとニヤリ。
この演目で一番心に残ったのは雪姫を演じた中村雀右衛門。 きれいだなあ、でも結構年いってるかなあ、なんて思っていたら何と83歳だって! ・・・そりゃあ若くはないと思ったけど、まさかそんなに高齢だとは思わなかったよ。 ちなみに人間国宝だそうです。
最初の演目は6時に終了し、食事の時間。 地下食堂に行ってみると各テーブルの上に既に料理が出されていて、自分の名札が 出ているところで食べるシステム。 30分の間という短い間にちゃんと夕食が取れるようによく考えられてるなあ。 お味はあっさりとしてなかなか美味でした。
さて6時半からはお目当ての玉三郎主演「於染久松色読販」。 ・・・「玉三郎七変化」って題名じゃなかった。 これで「おそめひさまつうきなのよみうり」って読むそうです。 む、むずかしい。
いやあ、すごかった。 玉三郎ってとーーーーーーってもきれい。 6人の女性と1人の男性を演じるんだけど、それぞれ全くタイプの違う役を 早変わりで演じるんだからすごい。 町娘、武家女中、農家の娘、芸者、町娘の義母、そしてごろつきの女。 これに主人公お染の思い人、久松を合わせて全部で7役。 それもいつ入れ替わったのかわからないくらいあっという間に変化するので驚いてしまう。
着物の早着替えだけなら紅白歌合戦なんかでもよく見るからそんなに驚かないんだけど 役が変わるたびに化粧まで変わるのが何とも不思議だった。
だって眉毛があったりなかったりするんだよ!
アイラインの引き方も変わるし、あんな短時間でどうやって塗り替えるんだろう?? Pさんは眉毛を貼り付けてるんだ、と言ってたけど、そんな方法でやって 途中でずれたり、眉毛が片一方落ちちゃったりしたら悲惨だよねえ。 そんなことを思って玉三郎の眉ばっかり注目してしまった。
初めの方の演目は最初のうち退屈でちょっと寝ちゃったりもしたんだけど 七変化の方は言葉もわかりやすいし、内容も派手なので最初から最後まで とっても楽しめた。 今度は休日のチケットを取ってまた見に行きたいな。
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