どこまで素で書けるかな?

2001年10月01日(月) 潤い。


先日友人たちとランチを食べに行った。

その待ち合わせ場所に行く途中、
中年男性に声をかけられた。

「すみません。
 この先にファミレスかなにかありますか?」

私は親切そうに見える微笑みを浮かべ、
『この笑顔を使うのは久しぶりだな』
と思いながら、

「ロイヤルホストがありますよ」

と答えた。

「あの、お昼ご飯はもう食べましたか?」

ああぁ、ナンパなのね。

微笑みの種類を素っ気無いものに変えて答える。

「これから友人と食べに行くところです」

止めた足を再び動かし始めたのに、
彼はめげずについてきた。

「今日とは言わないんで、今度ご一緒に」

曖昧に笑いながら、
指輪が見えるように左手を振る。

「あ、ご結婚されてるんですか」

「はい」

それであきらめると思ったのに、
なおも彼は食い下がった。

「贅沢は言わないんで今度お茶でも」

足を速める私の右腕を軽くつかむ。

その馴れ馴れしさにウンザリして、

「『贅沢は言わない』だと?
 アナタごときが私とお茶したいと思うのが、
 十二分に贅沢なんだよ。

 だいだい、
 私に声をかけること自体、
 10年遅いんだよ。
 オヤジ」

という表情を浮かべたら、
さすがに諦めてどこかに行った。

そんなあしらい方をしていても、
友人と合流した時に、

「声かけられちゃった。
 まだまだイケるみたい」

と笑顔で報告したことは、
言うまでもない。

軽そうに見えたのだろう。
簡単についてきそうに見えたのだろう。

そんな理由だと分かっていても、
この歳になるとナンパすら、
嬉しいもんなんだな。

終わってる?


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