先日とある情報番組で、 リストカットの特集をやっていた。
ここ最近手首を切る少女が、 異様に増えているらしい。
そりゃそうだろうと思った。
ネットの世界では、 「精神系」というくくりで、 手首切りや薬のみが常習になっている人たちの、 心情や行動がごっそりと公開されている。
切った回数や飲む量が、 まるで勲章のように描かれる世界。
自分がこんなに傷ついていること。 自分がこんなに苦しんでいること。
それを表現するひとつの手段。
悩みを抱えながら検索をすれば、 すぐにそれらのサイトがHITする。
それに触発される人は少なくないはずだ。
私は彼らのことを、 めずらしい人種だとは思っていない。
自虐的な行動は、 誰だって行っている。
気持ちが悪くなるまで酒を飲む人も、 身体に悪いと知りながらタバコを吸う人も、 胃潰瘍になるまで仕事をする人も、
形は違えど自虐行為だ。
小学校3年生の時、 カッターで左手首を切ったことがある。
その痛みで母への恨みが薄らいだ気がした。 ネコに引掻かれた程度のかすり傷だったけれど。
中学校の頃、 ホットロードという漫画の影響だったと思うが、 女子の間で好きな人のイニシャルを腕に彫るのが流行した。
私も待ち針でやはり左手首にそれを施した。
身体に浸透していく痛みでしか、 衝動的な感情を抑えられない時期がある。
それをどのように超えるかは、
親や友人や恋人。
誰でも良いから、 一人だけでもいいから、
愛する人に愛されているかどうか。
たったそれだけだと思う。
本当に生きていけない人は、 もっと確実な方法で死を選ぶんだから。
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