Sun Set Days
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2001年08月18日(土) 『コンセント』

 ホームページの話。
 今朝(というか深夜)ようやくホームページを公開し、結構嬉しくなったというのは昨晩の日記に書いた。
 で、二時間ほど後にもう一度自分のページを見てみると、深夜であるにも関わらずカウンターが回っている。
 これは嬉しかった。まだリンクページもつくっていなかったから、いったいどこから来てくれたんだろうと一人で小躍りする。
 これがインターネットかあと、まるで田舎の中学生のように鼻息が荒くなる。
 そして、はたと思い立ちウェブメールのページを開いてみる。もしかしたら、ホームページを見てくれた見知らぬ人が感想のメールをくれているかもしれない(←深夜で思考力が低下している)。そう思って、クリックを続ける。

 ―新着メールが1通届いています―

 おお! 僕は普通のやりとりはプロバイダメールを使用しているので、ウェブメールはほとんどチェックしていないし、まずメールがくることもない。それなので、思わず顔がほころんでしまう。さっそくかぁ。見知らぬ人とのコミュニケーション、それもインターネットの醍醐味だねとか思う。
 そして、さらにクリック、



 題名なし 添付ファイル(22kbyte)




 ウィルスじゃん、これ……

 一気に肩の力が抜ける。それなりに苦労して、時間をかけてつくったのに、最初の訪問者がウィルスとは……
 そのメールをウェブ上のゴミ箱から削除しながら、とりあえずは、人間の訪問者に来てもらうことからスタートだなと、やたらと低レベルな決意を新たにする。
 その後、ちゃんと人間の訪問者がきてくれました。ありがとうasaさん……


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 昨日空港や電車のなかで半分ほど読み進めていた『コンセント』(田口ランディ)を読了。
 心理学からオカルト、はてはシャーマンにいたるまで、様々な要素が凝縮されていて引き込まれるように読み進めはしたのだけれど、個人的にはツボにははまらなかった。書店で三部作と銘打たれているような似たような装丁の本があと二冊あったけれど、どうしようかなと思う。面白くないわけじゃないんだけど、苦手。そういう系統。どうやら僕は現代小説に関しては、(ごく少数の例外を除いて)淡々とした日々を描いているようなものの方が好きらしい。

 僕は自分の買った本を読むときには、気に入った文章のあるページの上隅を小さく折るようにしている。そして、全部を読み終わってから折り目のあるページをぱらぱらとめくって、どの部分に惹かれたのかをもう一度見るようにしているのだ(よく読書術等の本で紹介されているやり方)。それで、今回一番印象に残ったのは、この部分だった。

「世界はパラレルに存在している。どこかで、誰かが世界を支えている。何らかの役割を担って。いや、違うのかもしれない。誰もがどこかの世界に属し、何らかの力を発揮して、それぞれに世界を支えているのかもしれない。ある者はお金で世界を支え、またある者は魂を送ることで神話的世界を支えているのだ。
 私はいったい、どういう世界でどんな役割を果たすために存在しているのだろう。」(208ページ)

 自分がなんのために存在しているのかという問いは幾度となく繰り返されてきたもので、明確な答えなんかあるわけもない。時間をかけて、それぞれの人が自分なりの答えを見つけていくものなのだろうし。もしかしたら、最後までそれがわからないままかもしれないし。ただ、作中にもシャーマンが登場していたけれど、何か大きなものに生かされていると感じるような瞬間であるとか、そういう大いなる存在のようなものに確信を抱くことができることも(場合によっては)あるのだろうなとは思う。そしてそういうふうに思ってしまったら、世界のなかでの役割に気付かされたりすることもあるのだろう。僕がそんなふうに思わないのは、周波数がただずれているからだけなのかもしれなくて、チューニングを合わせた刹那に様々なものが見えるようになるのかもしれないし。
 ただ、もしそういうものがあるとしたら、少なくともいまのチューニングは自分で行っているわけだから変える気もないのだけれど。無理くりでも、いま目の前の現実にしがみついてしまうような気がする。そういうのを、選んでしまうのだと思う。


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