Sun Set Days
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2002年04月14日(日) 記憶

 ビジネスホテルのなかには、フロントに新聞のテレビ欄のコピーを置いてあるところが多くて、テレビを見ないくせによくそういうものを手にとってしまう。
 同じように、たとえば、様々な場所にはA4判くらいのパンフレットのようなものがあることが少なくないけれど、そういうものもよく手にとってしまう。
 すぐに捨ててしまったり、ファイリングしたりと、そのときどきによって、内容によって末路は様々なのだけれど、それでもまずは手にとってしまう。
 Daysを書くときに具体的な名称を記すことができたりすることが多いのも、そういう習慣のおかげということもある。

 そのテレビ欄のコピーを部屋で眺めていたら、今日の日曜洋画劇場は『フィフス・エレメント』だった。リュック・ベッソン監督の、1997年の作品。主演はブルース・ウィルス。
 うわ、と思った。
 もうこんなに昔の映画になるんだと、思わず驚いてしまったのだ。
 僕はこの映画をリアルタイムで見ているのだけれど、函館の映画館で見た。
 当時僕は函館から関東への異動が決まっていて、その夜は友人と一緒にお酒を飲んでいた。
 18時くらいから港の近くの観光地のエリアの地ビールを飲ませるお店にいて(函館は地ビールが比較的多い街だ)、別れ際車を停めてある駐車場にまで行く途中に映画館があって、そこで『フィフス・エレメント』をやっていたのだ。
 それで、そのまま一緒に観ることになって、最終の上映に入り込んだのだった。

 映画は正直な話それほどツボにははまらなかった。
 僕は基本的に『レオン』は最高に好きな映画の一つなのだけれど、それと『ニキータ』以外のベッソン作品にはどうしてかそれほど心を惹かれていないのだ。なぜか。

 あの頃から、もう何年も経ってしまっていて、今日名古屋のビジネスホテルの部屋でそういうことを思い出しているのだから、これはおもしろいよなあとしみじみと思う。
 記憶って、都合よくコントロールすることのできない代物ではあるけれど、そういう不思議な連なり方をして、それまでまったくと言っていいほど思い出さなかったことを浮かび上がらせる。
 いつしか、また『フィフス・エレメント』がテレビ放映されるときには、一番最初に観た函館のことと、そのときのことを思い出した名古屋の夜のことを、思い出すようになるのかもしれない。
 そういうのって悪くないかもしれないと思う。


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 お知らせ

 今日の音楽はJOEのアルバム『MY NAME IS JOE』。
 今回の出張の出発の朝に、CDを用意していなかったことを思い出してラックから数枚抜いたときの1枚で、久しぶりに通して聴いているのだけれど、やっぱりよいのです。
 特に「I Wanna Know」とか。


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